レイク・ウォビゴン効果とは、自分を他者と比べると平均以上だとってしまう心理現象のことです。
たとえば、
・私の運転技術は、平均よりも上だ!
・私の顔は、平均よりも上だ!
・私は、平均より友達が多い方だ!
と感じたことはありませんか?
このように、われわれは、自惚れる傾向があるということが言えますね。
(後ほど実験を紹介します)
もちろん、これ自体は自尊心を保つために必要なことです。
しかし、これがいき過ぎてしまうと、様々な場面でネガティブな結果となってしまうことも否めません。
なので、この記事を読んで自分を客観視し、しっかり対策していきましょう。
というわけで今回は、
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1.レイク・ウォビゴン効果とは
2.レイク・ウォビゴン効果とダニング・クルーガー効果
3.レイク・ウォビゴン効果に翻弄されないためには
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というテーマでお伝えしていこうと思います。
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レイク・ウォビゴン効果とは
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レイク・ウォビゴン効果
自分を他者と比べると平均以上だと思ってしまう心理現象
※またの名を「平均以上効果」とも言われています
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これをもう少し平たくいうと、「自分のことを過大評価してしまう心理現象」と言えるでしょう。
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レイク・ウォビゴン効果の由来
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レイク・ウォビゴン効果は、米国ホープ大学の心理学者デイビット・マイヤーズ氏により名付けられました。
「レイク・ウォビゴン」とは、作家ギャリソン・キーラ氏が作った作品の「レイク・ウォビゴン」という架空の街が由来となっています。
そこでは、女性は力強く、男性はみなハンサムで、子供たちの知能はみな平均よりも上回っています。
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レイク・ウォビゴン効果の実験
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スウェーデンのストックホルム大学のオーラ・スヴェンソン氏は、
運転免許証を持っているアメリカの大学生とスウェーデンの大学生を対象に、自分の運転技術を0~100で評価してもらいました。
実験の結果、アメリカの学生の93%、スウェーデンの学生の69%は、「自分は平均以上の技術を持っている」と回答したのです。
◆続きの実験
さらに、スヴェンソン氏は、学生に対して「あなたはどれくらい安全運転をしていると思いますか?」という質問もしたのですが、
結果は、アメリカの学生の88%、スウェーデンの学生の77%は、「普通よりも自分の方が安全運転」と回答したのです。
このように、人は自分のことを平均以上と考えてしまう性質があるようですね。
引用:世界最先端の研究が教える すごい心理学************************************************
レイク・ウォビゴン効果とダニング・クルーガー効果
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ここからは、レイク・ウォビゴン効果と似たバイアスである「ダニング・クルーガー効果」について簡単に解説していこうと思います。
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ダニング・クルーガー効果とは
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ダニング・クルーガー効果とは、能力の低い人は、自分の能力を高く見積もる傾向があるという心理現象のことです。
たとえば、勉強ができない人ほど、テストの点数を予想よりも高く見積もる傾向があったり、
他にも、過去に車の事故をした経験があるのにも関わらず、自分の運転技術を過大評価する人たちもいたりします。
>>ダニング・クルーガー効果 能力の低い人が能力を高く見積もる理由-------------------------------------------------------
デイビッド・ダニング教授の実験
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デイビット・ダニング教授は、被験者の学生に45点満点の大学試験で、どれくらいの点数が取れるかを見積もらせました。
その後、実際に大学試験を受けてもらい、彼らを上位25%と下位25%に分けました。
◆実験の結果
すると、下記のような結果になりました。
・上位25%
→ほぼ正確に自分の点数を予測できていた
・下位25%
→予想:33点
→結果:25点(8点の差があった)
能力がある人は、自分の能力をほぼ正確に見積もることができていたのですが、
一方で、能力が無い人は、自分の能力を過大評価し、正確に見積もることができていなかったのです。
つまり、能力の無い人たちは、自分の能力が無いことにも気づけていないということですね。
このように、レイク・ウォビゴン効果を受けやすい傾向にある人は、能力の低い人に起こりうるということが言えるでしょう。
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レイク・ウォビゴン効果を知ることのメリット
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しかし、レイク・ウォビゴン効果を知ることに一体どのようなメリットがあるのでしょうか?
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結論:物事に慎重になれる
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人はすぐにレイク・ウォビゴン効果の影響から、自分を平均以上だと感じてしまい、リスキーな行動をとってしまいがちになります。
◆例:車の運転
たとえば、車を運転するにしても、「俺は平均以上の運転技術があるから大丈夫だ!」と思っていると、無茶をして事故に遭う可能性を高めてしまいます。
しかし、レイク・ウォビゴン効果を知っているだけで、自分を客観視することができるようになるので、慎重な行動が取れるようになるのです。
「これはレイク・ウォビゴン効果の錯覚だ!危ない危ない〜」と。
もちろん、自信を持つことは大切ではありますが、それは時としてネガティブな結果に繋がる恐れがありますので、やっぱり慎重さも大切ですよね。
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レイク・ウォビゴン効果の影響から逃れるには
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では何を基準にして自信をもち、何を基準にして慎重になればいいのでしょうか?
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結論:数字を基準にする
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「数字」を基準にして、自信を持ったり、慎重になるようにしましょう。
なぜなら、このような基準を設けておかないと、無意識のうちにリスキーな行動をとってしまうからです。
つまり、数字を設けることは、あなたの行動を制御する役割があるのです。
◆例:学校のテスト
たとえば、学校のテストの平均が60点だったとする。
その場合、もしも60点よりも上であれば自信を持ち、それよりも下回っていたら勉強の仕方を変えるようにしましょう。
なぜなら、そうしないといつまで経っても、間違ったやり方で勉強することになるので、目標達成することができないからです。
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例外:根拠の無い自信も大切
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もちろん、全てのことにおいて「数字」をみる必要はありません。
なぜなら、誰しも最初から数字ベースの実績があるわけではないからです。
◆例:ブログで稼ぐ
たとえば、ブログで稼げぎたいと思った時に、そもそもブログで稼いだことがない人が慎重になるべきなのか?と言われたらそれは全く別の話。
この場合に関しては、慎重さなんていらないので、とにかく突っ走った方がいいでしょう。
なぜなら、行動しないと何も始まらないからです。
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結論:無意識に翻弄されるな
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ヤスイが、ここでお伝えしたいことはこちら
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時には客観的視点を持って思考してみましょうね!
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レイク・ウォビゴン効果は、無意識のうちに起こる反射的な思考です。
なので、もしもレイク・ウォビゴン効果の存在を知らなければ、いっしょう無意識の力に翻弄される人生を歩むことになるのです。
たとえば、「俺の運転技術は平均以上だ!」と永遠に自分の技術を振り返る機会がない人は、事故を起こしてしまう可能性が高くなります。
つまり、客観的視点を持つことで、事故発生率を大幅に下げることができるわけです。
▽図にするとこんな感じ
・レイク・ウォビゴン効果を知る
↓
・客観的に自分を見つめることができる
↓
・慎重になれる
↓
・事故を起こすことが減る
▼おすすめ書籍:バイアス・ヒューリスティック
行動意思決定論
認知バイアス 心に潜むふしぎな働き
予想どおりに不合理
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まとめ:レイク・ウォビゴン効果
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では最後にまとめましょう。
今回は、
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1.レイク・ウォビゴン効果とは
2.レイク・ウォビゴン効果とダニング・クルーガー効果
3.レイク・ウォビゴン効果に翻弄されないためには
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というテーマでお伝えしました。
レイク・ウォビゴン効果を無意識のうちに起こる心理効果です。それゆえ、自らをリスキーな行為に駆り立て、それがネガティブな結果となってしまうことも多々あります。
しかし、もうあなたも大丈夫。なぜなら、レイク・ウォビゴン効果をしっかり理解し、自分を客観的に見つける術を身につけたので。
もしも、レイク・ウォビゴン効果のようなその他のバイアスについて知りたいという方は、下記の記事なども参考にしてもらえればと思います。
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