ブーメラン効果とは、説得されればされるほど、逆の態度・行動をとってしまうという心理効果です。
たとえば、親に「勉強しなさい!」と言われると、勉強する気が失せたりしたことってありませんか?
他にも、営業マンから商品をプッシュされればされるほどと、購入する気が失せたりしてしまったり。
このように、説得は相手を変えるうえで非常に大切ではありませんが、実は逆効果になったりすることが多々あります。
しかし、なぜこのような現象が起こるのでしょうか?
というわけで今回は、
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1.ブーメラン効果とは
2.ブーメラン効果を営業に活用する方法
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というテーマでお伝えしていこうと思います。
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ブーメラン効果とは
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ブーメラン効果
説得されればされるほど、逆の態度・行動をしてしまうという心理効果
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ブーメラン効果の由来
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ブーメラン効果は、「投げたブーメランが、ネガティブな形で自分に返って来る」というところから来ています。
◆経済学におけるブーメラン効果
「経済学」でにおいても、ブーメラン効果は似たような意味合いで使われます。
たとえば、市場の拡大などを目的に、先進工業国が持つ生産技術を発展途上国に移転することで、発展途上国の生産技術が確立され、「市場を脅かす存在」となってしまうという感じです。
つまり、よかれと思った行動が、ネガティブな形で返って来るという意味合いで使われます。
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ブーメラン効果の具体例
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ではいくつか具体例をみていきましょう。
◆勉強を強要する
親に「勉強しなさい!」と叱られて、「うるせぇな〜」と思ったことはないでしょうか?
もしも、あなたが子を育てる親なのであれば、ひとつ忠告しておきます。
子供に「勉強しなさい!」と叱るのは、「勉強するな!」と言っているようなものです。
なぜなら、「勉強しなさい!」と強要することで、子供は逆の態度・行動をとるようになるからです。
なので、もしも勉強をさせたいと思うのであれば、まずは「自分が楽しく学んでいる姿」を見せることから始めましょう。
すると、学ぶことを楽しむあなたの姿を見て、勉強するようになるかもしれません。
◆ダイエットの忠告
ダイエットのアドバイスはするが、いっこうに努力しない友達っていませんか?
もしかしたら、それはあなたのせいかもしれません。
なぜなら、「ダイエットの方法」や「ダイエットの重要性」を伝えれば伝えるほど、友達はダイエットする気がなくなってしまうからです。
なので、友達から「アドバイスが欲しい!」と言われない限り、絶対にアドバイスはしないようにしましょう。
そして、仮にアドバイスを求められたとしても、必要以上にあーだこーだ言わないことです。
なぜなら、友達もあなたにアドバイスを求めたものの、ガミガミ言われると「アドバイスを求めるんじゃなかった…」と後悔させてしまうからです。
◆過剰過ぎるフォロー
「たくさんのフォローをすると、クライアントが喜ぶ!」と思っていませんか?
これはコーチ・コンサル・セラピスト業界でよくあることなのですが、結論、これは大きな間違いです。
過剰過ぎるフォローは、逆にクライアントから愛想を尽かされてしまうことになってしまいます。
たとえば、
・「今日の成果報告をお願いします!」
・「今日はどのようなタスクをこなしましたか?」
・「今日はSNSを更新しましたか?」
などですね。
このように、必要以上のサポートはかえってクライアントのモチベーションを低下させてしまいます。
ヤスイが、ベンチャー企業営業マンの時、このような過剰なサポートが原因で2名ほどクライアントが離れていってしまいました。
今思えば「ブーメラン効果が原因だったのか…」と痛感しています。
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ブーメラン効果の実験
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アメリカの心理学者コーエンは、説得に関する面白い実験を行いました。
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コーエンの実験
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「男女共学」に関して批判的な意見を持つ被験者を集め、
彼らに「男女共学にどちらかと言えば賛成の意見を持つ被験者(サクラ)を説得してください」と伝えます。
そして、サクラを2つのグループに分けます。
1.「どちらかと言えば賛成」から「賛成」へと少しだけ態度を変えるグループ
2.「どちらかと言えば賛成」から「全面的に賛成!」と大きく態度を変えるグループ
その時の、どれくらいの数の被験者がサクラに同調するか?を調べました。
◆実験の結果
結果、?@のグループでは、サクラに同調する被験者が多く出たのに対して、?Aのグループでは、サクラに同調する被験者は全体の2割しか出ませんでした。
しかも、?Aのグループでは、男女共学に反対する態度が逆に強くなった被験者が6割にものぼったのです。
このように、強い反発に対しては、強い反発で返って来るということが見て取れますね。
これには、返報性の原理も絡んでいると言えるでしょう。
<関連記事>
返報性の原理 マーケティングに活用する方法************************************************
ブーメラン効果はなぜ発動するのか
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ブーメラン効果は、下記の5つの要素のどれかを満たした時に起こるとされています。
1.別のことにコミットしている
2.自分の信念・価値観への説得
3.予告された説得
4.嫌いな相手からの説得
5.自由を奪われる
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条件1.別のことにコミット(約束)している
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たとえば、Aくんは友達と遊ぶ約束をしているとします。
そんな時、母親から「あなた、宿題はやったの?宿題が終わってから遊びなさい!」と言われても、Aくんを説得するのは難しいわけです。
なぜなら、コミットしていることを優先にしてしまうからです。
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条件2.自分の信念・価値観への説得
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たとえば、あなたは「社会貢献したい!」という価値観を持っているとします。
しかし、ある人に「社会貢献なんて大きなことを言ってもそれは達成されないよ!まずは自分を満たさないと!」と説得をされても、
簡単にあなたはその価値観を簡単に変えることをしないでしょう。
なぜなら、価値観や信念は、あなたのアイデンティティと密接に関連しているため、それを否定されると自分が否定されたように感じるからです。
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条件3.予告された説得
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たとえば、「今からビンタしますね!」と言われると身構えてしまいますよね?
説得も全く一緒です。
「今からあなたを説得しますね?」と言われると、その内容が対したものでなくても、身構え、それに反発しようとしてしまいます。
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条件4.嫌いな相手からの説得
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人間には、「好き・嫌い」でものを判断する性質があります。
これを感情ヒューリスティックといいます。
たとえば、目の前の営業マンが最低なヤツだったとする。
すると、その営業マンからどんな説得をされても、その全てをネガティブに解釈してしまいます。
だから、営業では信頼関係の構築が大切なわけですね。
<関連記事>
>>【感情ヒューリスティック】意味・具体例・活用法を解説----------------------------------
条件5.自由を奪われる
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人間には、自由を奪われると、それを取り戻そうとする性質があります。
これを心理的リアクタンスといいます。
たとえば、「そんな彼氏と別れた方がいいよ!」と自由を制限すればするほど、「でも良いところもあるのよねぇ〜」と良い箇所に目を向けることになってしまうのです。
<関連記事>
心理的リアクタンス 制限されるほどやりたくなる心理学************************************************
ブーメラン効果と関連した心理学
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では、ここからはブーメラン効果と似た心理学について解説していきます。
・希少性
・心理的リアクタンス
・カリギュラ効果
・ロミオとジュリエット効果
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希少性
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希少性とは、限定されることで、その対象を不当に価値付けしてしまうという心理現象のことです。
たとえば、
・限定100名!
・5日間限定!
などですね。
主には、「数量」「期間」「地域」「会員」などを限定することで、「この機会を逃してはいけない!」と感じ、その対象に対して、不当に価値付けしてしまいます。
<関連記事>
希少性の原理をマーケティングに活用する方法************************************************
心理的リアクタンス
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心理的リアクタンスとは、自由を制限されるほど、その自由を取り戻そうとする心理現象のことです。
たとえば、親から「勉強しなさい!」「宿題はやったの!?」と言われたら、逆にやりたくなりなったなんて経験はありませんか?
実は、これは心理的リアクタンスによる現象です。
「勉強しなさい!」と言われたことにより、自分の自由が制限されたので、無意識にそれをと戻そうとするのです。
<関連記事>
心理的リアクタンス 制限されるほどやりたくなる心理学----------------------------------
カリギュラ効果
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カリギュラ効果とは、禁止や制限をかけると、逆にしたくなるという心理現象のことです。
カリギュラ効果の由来としては、アメリカ・イタリアの合作映画の『カリギュラ』から来ているようです。
その内容はあまりにも過激であったため、一部地域で上映を禁止されたのですが、それが逆に注目を集めるという結果となってしまいました。
<関連記事>
カリギュラ効果 閲覧禁止とも言われると見たくなる心理学----------------------------------
ロミオとジュリエット効果
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ロミオとジュリエット効果とは、障害があるほど、それを乗り越えようとする気持ちが高まる心理効果のことです。
ロミオとジュリエット効果の由来としては、シェイクスピアによる『ロミオとジュリエット』という戯曲から来ています。
ロミオとジュリエットは、お互いの両親の不仲により仲を引き裂かれてしまいます。
しかし、これにより逆に愛は燃え盛り、ロミオはジュリエットに会いに行くようになってしまうのです。
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ブーメラン効果を営業に活用する方法
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ではここからは、ブーメラン効果を営業に活用する方法について解説していきます。
1.信頼関係を強化する
2.現状を肯定する
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方法1.信頼関係を強化する
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営業は下記の4つのプロセスで成り立っています。
▽営業プロセス
1.アイスブレイク (警戒心の解除)
↓
2.ヒアリング
↓
3.プレゼンテーション
↓
4.クロージング
<関連記事>
>>【セールストーク】セールスマンの悩みを徹底解析した【マニュアル】を公開◆営業では信頼が命
信頼関係がしっかり構築できていれば、クロージングでの説得に耳を傾けてくれる可能性が飛躍的に上がります。
なぜなら、クロージングのプロセスでは、顧客の反論に対処したりしなければならず、どうしても「プッシュ」しなければならない場面があるからです。
つまり、信頼関係が構築されていない段階で、プッシュしても顧客から心理的な反発が起きてしまうのです。
なので、信頼関係は必ず構築するようにしましょう。
もしも、信頼関係の構築の方法を具体的に知りたい方は、下記の記事チェックしてもらえればと思います。
>>信頼構築のテクニック----------------------------------
方法2.現状を肯定する
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営業で難しいのは、相手のニーズを引っ張ってくることです。
しかし、あることをすることで、簡単にニーズを引っ張ってくることができるんですよね。
それは、相手の現状を肯定するという方法です。
◆保険を売る
たとえば、あなたが保険の営業をしているとします。
顧客にダイレクトに「何か保険での悩みってありませんか?」なんて尋ねるのもアリですが、ちょっと売り込み感が出てしまいます。
なので、そんな時は「将来のことをものすごく考えられてそうですね!」と現状を肯定するのです。
すると、心理的リアクタンスが発動し「いやいや、そんなことないですよ〜」というレスポンスが反射的に返ってきます。
これがいわゆる「謙遜」というやつです。
◆悩みを引っ張り出す
このレスポンスが返って来たらもう勝ちです。
なぜなら、あとは下記の質問をぶつければいいだけだからです。
「そうなんですか?けっこうしっかりしてそうなのに!もしもよろしければそのお悩み聞かせてもらえますか?」
このように、他者を褒めることで、悩みを引っ張っり出すことができるようになります。
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まとめ:ブーメラン効果
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では最後にまとめましょう。
今回は、
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1.ブーメラン効果とは
2.ブーメラン効果を営業に活用する方法
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というテーマでお伝えしました。
世の中には、「想いを伝える営業」が流行っており、ゴリゴリにプッシュする営業が当たり前になっています。
しかし、「だから売れない」ということを理解してください。
自分の想いばかりを伝える「独りよがりな営業」をするのではなく、顧客のことも考えた営業をしていきましょう。
もしも、その他の心理テクニックについて知りたい方は、下記の記事なども参考にしてもらえればと思います。
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心理学テクニックまとめ
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