マジカルナンバーとは、人が同時に記憶できる短期記憶の限界値ことです。
この容量は、認知心理学者ジョージ・ミラー氏によれば「7±2」だといいます。
つまり、われわれが同時に記憶できる短期記憶の限界値は「5〜9」ということです。
たとえば、お使いを頼まれた時に、
玉ねぎ、人参、ピーマン、じゃがいも、ヨーグルト、食パン、オレンジジュース
7種類くらいだったら、メモにしなくてもギリギリ頭で記憶できそうですよね?
しかし、これが10以上になると、メモを取ってお使いに向かわないと、お店に到着するまでにいくつかは忘れてしまっている可能性が高まります。
このように、われわれの短期記憶には限界があるということなのです。
というわけで今回は、
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1.マジカルナンバーとは
2.マジカルナンバーをセールスに活用する方法
3.マジカルナンバーをマーケティングに活用する方法
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というテーマでお伝えしていこうと思います。
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マジカルナンバーとは
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マジカルナンバー
人が同時に記憶できる短期記憶の限界値
ジョージ・ミラーによれば「7±2」
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マジカルナンバーの提唱者
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マジカルナンバーは、1956年に認知心理学者ジョージ・ミラー氏により提唱され、
彼が書いた論文『マジカル・ナンバー7±2:われわれの情報処理能力の限界』で発表されました。
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短期記憶とは
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短期記憶とは、人が数十秒から数十分覚えていられる記憶のことです。
◆電話番号
たとえば、友達から電話番号を教えてもい、それを携帯に打ち込むところを想像してください。
携帯に打ち込み終わって、数分も経てば、友達の電話番号は忘れさられ、正確に答えることはできないですよね。
◆計算
他にも、「57+76=?」という問題を出されたとする。
もちろん、多くの人はその場でそれぞれの数字を記憶し、正確に解答することができると思いますが、
数時間後に「数時間前にどんな問題を出したでしょうか?」と質問をされると、自分で解いた問題でさえも忘れさられてしまっています。
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チャンクとは
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チャンクとは、「かたまり」のことで、ジョージ・ミラー氏が提唱した概念になります。
先ほど、マジカルナンバーをもっと正確に説明するのであれば、
人が同時に記憶できる短期記憶の限界値は7±2チャンク
ということです。
つまり、「7かたまり」までは覚えることができるということ。
たとえば、電話番号は「000-0000-0000」で構成されていますが、これは3チャンクということですね。
他にも、「G・O・A・L」と分けると4チャンクですが、「GOAL」の場合は1チャンクとなります。
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マジカルナンバーの実験
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では、マジカルナンバーに関する実験を2つ紹介します。
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実験1.
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被験者に、短い時間に様々な大きさの図形を見せた後で、それを小さい順に並べてもらいました。
結果、見せた図形が7種類までの場合、順位付けは非常に正確でした。
しかし、形の種類がそれよりも多くなると、途端に間違いを犯すようになったのです。
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実験2.
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他の実験も紹介すると、被験者に、高周波と低周波を区別してもらいます。
5種類の高周波と5種類の低周波に関してはそれぞれ区別できるのに、それら10種類を全て区別しなさいと言われると、間違いを犯すようになったのです。
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マジカルナンバー7±2はウソ?
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ここまでで、マジカルナンバーは7±2という話をしてきました。
しかし、実際のところどうなのでしょうか?
ちょっと考えてもらいたいのですが、お使いを頼まれた時に、下記の内容をメモも取らずに記憶することって簡単でしょうか?
玉ねぎ、人参、ピーマン、じゃがいも、ヨーグルト、食パン、オレンジジュース
正直、けっこう厳しいですよね?
このように、ジョージ・ミラー氏が提唱したマジカルナンバーには、多少の違和感の残るところがありますよね。
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マジカルナンバー4±1
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ではここからは、ジョージ・ミラー氏が提唱したマジカルナンバーに対抗する新マジカルナンバーについて解説していきます。
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本当のマジカルナンバーは4±1
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これは、2001年にミズーリ大学の心理学教授ネルソン・コーワン氏が、
本当のマジカルナンバーは「4±1」であると発表しました。
つまり、人が同時に記憶できる短期記憶の限界数値は「3~5」チャンクということです。
※現在ではネルソンさんのマジカルナンバーを信じる人たちが多いですね
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日常のマジカルナンバー
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われわれは、無意識のうちに、「4±1」のマジカルナンバーを使っているように思えます。
たとえば、電話番号でも「000-0000-0000」の3チャンクですし、マクドナルドのポテトのサイズも「S・M・L」と3チャンク。
◆略語
他にも、「略語」などもそれに当たるでしょう。
たとえば、会社員を辞めて独立することを「脱サラ」(3チャンク)と表現したり、
イメージトレーニングのことを「イメトレ」(4チャンク)と表現したり、
「セブンイレブン」のことを東京では「セブン」(3チャンク)と略したりします。
このように、われわれは、無意識のうちにネルソン・コーワン氏が提唱したマジカルナンバーを使っていると言えるでしょう。
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マジカルナンバーの数はなぜ下がったのか
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これは「現代病」のひとつとも言えます。
というのも、現代では分からないことはGoogleやYouTubeなどですぐに情報を出力できる時代になっているからです。
つまり、現代は便利であるがゆえに、人々は脳を昔よりも使わなくなってしまったからです。
ジョージ・ミラー氏がマジカルナンバーを発表したのは1956年のこと。
そこから、2001年にネルソン・コーワン氏が新しくマジカルナンバーを提唱してから45年という歳月が流れています。
この間に文明が発達し、人々は頭を使うことが減り、マジカルナンバーが下がってしまったということですね。
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マジカルナンバーをセールスに活用する方法
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ではここからは、マジカルナンバーをセールスに活用する方法について解説します。
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方法.要点を3つに絞る
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こちらの伝えたいメッセージは、3つに絞るようにしましょう。
なぜなら、多くのメッセージを届けてしまうと、顧客はそれらのメッセージを覚えておくことができないからです。
◆カリフォルニア大学スーザン・シューの実験
被験者に、新商品のシリアルを3つのパターンで評価してもらいます。
1.アピールポイントを2つ伝えたパターン
2.アピールポイントを3つ伝えたパターン
3.アピールポイントを4つ伝えたパターン
アピールポイントは、従来品と比較して
・よりヘルシー
・より味が良い
・より歯触り感アップ
・より高品質
の4つにして、これを毎回ごちゃ混ぜにし、シリアルをアピールしていきます。
>>実験の結果
実験の結果、被験者は2つでも4つでも評価はいまいちで、3つの時に一番高い得点を付ける傾向がありました。
この実験の面白いところは、どのアピールポイントかは関係なく、あくまでもアピールする数が重要だということですね。
>>実験の考察
理由を説明すると、
2つアピールした場合には「なんか物足りない…」と思われてしまい、4つアピールした場合には「クドイ…」と思われてしまうからです。
つまり、「3」がちょうどいい数字なのです。
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マジカルナンバーをマーケティングに活用する方法
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ではここからは、マジカルナンバーをマーケティングに活用する方法について解説します。
1.ゴルディロックス効果
2.選択肢を増やしすぎない
3.行動要請を絞る
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方法1.ゴルディロックス効果
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マジカルナンバー
「真ん中」が選ばれやすいという心理現象
※別名「松竹梅の法則」ともいわれています
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商品・サービスは、「松竹梅」という形で提案するようにしましょう。
なぜなら、このように提案すれば、真ん中の商品・サービスが選ばれやすくなるからです。
◆カメラ
たとえば、カメラを購入する際、10万円、7万円、3万円という3つの種類があった場合、真ん中の7万円が選ばれやすくなります。
なぜなら、10万円のカメラには「高い…」というデメリットがあり、3万円のカメラには「性能が劣っている…」というデメリットがあるからです。
つまり、7万円のカメラが無難となるからです。
<関連記事>
>>【ゴルディロックス効果(松竹梅の法則)】相手を誘導する選択の心理学 -------------------------------------------------------
方法2.選択肢を増やしすぎない
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提案する選択肢を増やしすぎないようにしましょう。
なぜなら、選択肢が多すぎると、選択することが面倒になり、選択することをやめてしまうからです。
これを決定回避の法則といいます。
◆10種類のキャンディー
たとえば、10種類のキャンディーがあったとしたら、「どのキャンディーにしようか…」と迷うわけです。
その結果、その10種類のキャンディーから選択することが面倒になり、購入することすら止めてしまいます。
これは、売上の低下にも繋がることなので、必ず意識するようにしましょう。
<関連記事>
>>【決定回避の法則】多くの選択肢が利益を落とす理由◆ブログの離脱率を上げる
ブログのグローバルメニューの数も少なくするようにしましょう。
なぜなら、メニュー数が多くなると、読者はサイト全体の把握ができず、自分が求めている情報が手に入るのかを判断することができなくなってしまうからです。
だから、弊社で運営している「科学のビジネスブログ」でも、なるべく「グローバルメニュー」の数を絞るようにしています。
◆コンテンツの量は豊富でOK
コンテンツの数多くでも問題ありません。
なぜなら、コンテンツの量が多いということは、それだけ読者の問題を解決することができるサイトとなるからです。
たとえば、記事数が10しかないサイトと100あるサイトでは、読者の問題解決に差が生まれるのは当然ですよね。
なので、一瞬で処理したり、記憶したりしてもらいたい場合は情報量を少なくして、信頼性を高めたい場合は情報量を多くするのがいいですね。
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方法3.行動要請を絞る
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行動要請は、多すぎないようにしましょう。
理想は1つです。
たとえば、ブログの「まとめ」の部分で複数の行動要請をしてしまうと、それがサイトの離脱に繋がる可能性が高まります。
▽たとえば
・メルマガに登録してください!
・こちらの記事を読んでください!
・セミナーをチェックしてみてください!
などなど、複数の行動要請があると、結果、読者はどの行動も取らなくなってしまいます。
なぜなら、決定回避の法則が働くからですね。
(これは、YouTubeにも同じことが言えます)
▼おすすめ書籍:心理学
影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか
人を操る説得術
心理学大図鑑
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まとめ:マジカルナンバー
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では最後にまとめましょう。
今回は、
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マジカルナンバーとは
マジカルナンバーをセールスに活用する方法
マジカルナンバーをマーケティングに活用する方法
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というテーマでお伝えしました。
マジカルナンバーを意識することで、販売戦略が大きく変わってきます。
・今までどれくらいの数の提案をしていたでしょうか?
・グローバルメニューの数はどれくらいでしょうか?
・行動要請をしすぎてはいませんでしたか?
こうした細かいところをチェックすることが売上UPに繋がること間違いなしです。
もしも、その他の心理テクニックについて知りたい方は、下記の記事なども参考にしてもらえればと思います。
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心理学テクニックまとめ
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