OODA(ウーダ)ループとは、先が読めない状況で迅速な意思決定を行うためのフレームワークのことです。OODA(ウーダ)ループは、
教育、ビジネス、スポーツ、ゲーム、恋愛、就活など様々な分野で使えるまさに万能なフレームワークです。
つまり、OODA(ウーダ)ループは、「人生のフレームワーク」と言えるでしょう。ところで、OODA(ウーダ)ループとよく比較されがちなフレームワークが
「PDCAサイクル」ですが、この記事ではその違いについても触れていこうと思います。
OODA(ウーダ)ループ、PDCAサイクル、をそれぞれ使い分けることで、目標達成率を高めていきましょう。
というわけで今回は、
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆1.OODA(ウーダ)ループとは
2.OODA(ウーダ)ループの具体例
3.OODA(ウーダ)ループとPDCAサイクルの違い
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆というテーマでお伝えしていこうと思います。
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OODA(ウーダ)ループとは
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OODA(ウーダ)ループ
先が読めない状況で迅速な意思決定を行うためのフレームワーク////////////////////////////////////////////////////
OODAループは、「
Observe(観察する)」「
Orient(方向づける)」「
Decide(決断する)」「
Act(実行)」の頭文字をとったもので、
基本的には、「
Observe(観察する)」から「
Act(実行)」へ向かってぐるぐる回していく
(Loop)フレームワークとなります。
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OODA(ウーダ)ループの提唱者
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OODA(ウーダ)ループは、アメリカの軍事戦略家である
ジョン・リチャード・ボイド氏により提唱されたました。
彼は48歳で空軍を退役してから、軍人年金を受け取り研究生活に没頭します。
そんな研究生活の中で生まれたのがOODA(ウーダ)ループなのです。
◆軍事戦略で使われていたOODA(ウーダ)ループは、今では様々な分野で使われていますが、
もともとは
軍事戦略で使われていたもので、「不測の事態に遭遇しても、迅速な意思決定と行動ができるようになる」という理論になります。
たとえば、
「〇〇艦隊が接近中!」などの不測の事態が起きたとする。
そんな時に、OODA(ウーダ)ループにより、迅速な意思決定をすることで、その事態を回避することができるようになるという感じですね。
そんな「行動に移す速さ」に注目したのがこのOODA(ウーダ)ループと言えます。
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OODA(ウーダ)ループの実績
-------------------------------------------------------OODA(ウーダ)ループは、今では
シリコンバレーをはじめとする欧米のビジネス業界などでも採用されており、アメリカのビジネススクールなどでも教えられているレベルです。
さらに、OODA(ウーダ)ループは、
スポーツ界でも必須の思考法となっているようで、たとえば、世界上位のラグビーチームがOODA(ウーダ)ループを使っているといわれています。
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OODA(ウーダ)ループの具体例
************************************************では、具体例をみていきましょう。
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具体例
-------------------------------------------------------▽テーマYouTubeやろうか?否か?最近では、YouTubeでマーケティングに挑戦する人たちが増えていますね。
◆Observe(観察する)
最近、多くのビジネスマンがYouTubeに参入しているなぁ〜ここで大切なことは、事実をありのままに観察することです。
◆Orient(方向づける)
もしかしたら、私もYouTubeに参入した方がいいのかもしれないここでは、観察した内容を基に仮説を立てます。
◆Decide(決断する)
よし!私もYouTubeをやってみよう!観察した内容と仮説を基に意思決定を行います。
◆Act(実行する)YouTubeのチャンネルを解説したり、実際に動画を撮影したりします。
PDCAサイクルでは、最初に計画を立てることをしますが、
OODA(ウーダ)ループの特徴は、行動までのスパンが短く、「やってみないと分からない!」という思考に基づいているところです。ここでは、YouTubeの具体例を取り上げましたが、これってどの分野でも同じことが言えますよね。
結局、やってみないと何も分からないし、行動することからしか問題点を抽出することはできないので、まずはとにかく行動です。
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OODA(ウーダ)ループをさらに理解する
************************************************ではここからは、「
Observe(観察する)」「
Orient(方向づける)」「
Decide(決断する)」「
Act(実行)」のそれぞれの要素をさらに詳しくみていきましょう。
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Observe(観察する)
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「観察する」とは、客観的な情報を集めるということです。事実やデータなどを集めることで、その後に行動につなげていきます。
◆ポイント.主観は入れないここで大切なことは、主観を入れないことです。なぜなら、主観が入ってしまうと、事実をありのままに捉えることができないからです。
コップの中の水
たとえば、ヤスイが「コップに水が少ししか入っていません!」とあなたに伝えたとする。
すると、あなたは「2〜3割くらいしか水が入っていないのだろう」と予測するでしょう。しかし、実際にそのコップを見てみると、まだ6割も入っていました。
これは、ヤスイが主観からコップの水の量を「少し」と捉えてしまったことによる現象ですね。
なので、ありのままの事実を集めるためには「5W1H」や「数字」を使うようにしましょう。先ほどの例だと、「コップに水が
6割入っています」と伝えるのです。
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▽5W1H・Who(誰が?)
・When(いつ?)
・Where(どこで?)
・What(何を?)
・Why(なぜ?)
・How(どのように?)
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※5W1H思考でありのままの現状をリサーチ
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Orient(方向づける)
************************************************「方向づける」とは、解釈することです。
ちなみに、ジョン・ボイド氏は、この「Orinet(方向づける)」が一番大切だとしています。
※ボイドは「方向づけ」のことを「概念化」と表現していますなぜなら、これは人が持つ世界観によって大きく左右されるからです。
たとえば、カブトムシをみた時に、それを「カッコいい!」と感じる人もいれば「ゴキブリみたいで気持ち悪い!」と捉える人もいますよね?
ジョン・ボイドは「方向づけ」には5つの要素が相互的に絡み合っているとしています。
1.遺伝的資質
2.文化的な伝統
3.経験則
4.新しい情報
5.分析と統合
◆(1)遺伝的資質遺伝的資質とは、生まれ持っての性格のことです。たとえば、カブトムシをみた時に、
好奇心旺盛な性格の子供であれば「触ってみよう!」となりますが、警戒心が強い場合は「ちょっと気持ち悪いから距離を置こう…」と解釈するわけです。
◆(2)文化的な伝統文化によって、解釈が操作されることがあります。たとえば、日本では子供が良いことをしたら頭を撫でたりしますよね?
しかし、これはタイでは非常識とされています。
なぜなら、髪の毛は神聖なものとされており、それに触れるということは大変失礼だとされているからです。
つまり、文化によって、特定の行動への解釈が変わるということですね。
◆(3)経験則人は経験則から、ある対象を解釈しようとすることがあります。たとえば、北海道に住んでいる人たちはゴキブリを見たことがなく、東京で初めてゴキブリを見た時に「みんなが言うほど気持ち悪くないじゃん〜」と解釈することも。
このような経験則に基づく直感的な思考のことをといいます。
ヒューリスティック
>>【ヒューリスティック】とは?4種類のヒューリスティックとその対策
◆(4)新しい情報ある対象への偏見が、新しい情報と出会うことで、変わることがあります。たとえば、「ゴキブリは汚い!」という解釈をしているところに「実はゴキブリってキレイらしいよ?」と言われることで、ゴキブリへの見方がマシになったり。
これは勉強していると頻繁に起こる現象ですね。
新しい知識と出会うことで、今までの常識が変わったり。
◆(5)分析と統合
分析と統合とは、観察した情報を細分化したり、合わせたりしてある対象を解釈することです。たとえば、ある犬を観察しているとする
その犬の状況は、
・尻尾を振っている
・くさりで繋がれている
・小さい
というもの。
この場合、「この犬は安全だ!」と判断することになります。
しかし、
・尻尾を振っていない
・吠えている
・大きい
となった場合は、「危険だから逃げよう!」となるかもしれないですよね。
以上で5つの要素についての説明は終わりになりますが、
このように、われわれは様々な要素から物事を解釈しているということです。
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Decide(決断する)
-------------------------------------------------------「決断する」とは、その名の通り決断することです。
観察し、方向づけしたら、方向づけした情報を実現するための決断を行います。
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Act(実行)
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「実行する」とは、その名の通り実行することです。仮に、実行して思ったような成果を得ることができなかったら、また「
Observe(観察する)」に戻って、戦況を確認します。
そして、また新しいOODA(ウーダ)を形成するのです。
・・・
このことから、「OODA(ウーダ)
ループ」と言われています。
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OODA(ウーダ)ループとPDCAサイクル
************************************************ではここからは、
OODA(ウーダ)ループとPDCAサイクルの違いについて解説していきます。これら2つのフレームワークはよく勘違いされるので、それぞれをしっかり理解して、あなたの人生に活用してくださいね。
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結論:目的が違う
-------------------------------------------------------そもそも、OODA(ウーダ)ループとPDCAサイクルには、それぞれ別々の目的があります。
それをまとめるとこんな感じ。
●
OODA(ウーダ)ループ=迅速な意思決定●
PDCAサイクル=生産性向上全く違いますよね?
つまり、そもそもこれら2つのフレームワークは全く別物であると言えます。
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PDCAサイクルとは
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PDCAサイクル
4つのプロセスぐるぐる回すことで目標達成率を高めるフレームワーク////////////////////////////////////////////////////
4つのサイクルとは、「
Plan(計画)」「
Do(実行)」「
Check(評価)」「
Act(改善)」のこと。
>>PDCAサイクルはもう古い?|目標達成率UPのフレームワークを解説
◆PDCAサイクルの目的
PDCAサイクルは、もともと工場の生産性向上を目的に作られたフレームワークです。つまり、明確な作業工程がある対象にはもってこいのフレームワークになります。
◆ヤスイという車を製造する
たとえば、車を製造する際にはその工程がありますよね?「工程A→工程B→工程C」のような感じで。
1.「ヤスイ」という車を作ろうとした
<Plan(計画)> ↓
2.ある時、ヘンテコな車が出来上がってしまった
<Do(実行)> ↓
3.そこで、それぞれの工程をチェックしたところ、工程Bに問題があった
<Check(評価)> ↓
4.なので、工程Bを改善して、
<Act(改善)>また車を製造してみた
↓
5.以前のような問題は起こらなくなった
このように、PDCAサイクルは、ある特定の業務を改善するために使われていたものです。
しかし、スポーツやビジネス、ゲーム、恋愛、就活では、明確な作業工程などなく、どんなことが起こるか分からない分野ですよね?だから、そのような対象にはOODA(ウーダ)ループを使うのがオススメです。
◆こう考えよう!たとえるなら、こんな感じです。
・OODA(ウーダ)ループ=結論が分からない対象に使うフレームワーク
・PDCAサイクル=結論が分かっている対象に使うフレームワークぜひ、上手く使い分けてください。
▽おすすめ書籍
OODAループ思考入門
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まとめ:OODA(ウーダ)ループ
************************************************では最後にまとめましょう。
今回は、
-------------------------------------------------------1.OODA(ウーダ)ループとは
2.OODA(ウーダ)ループの具体例
3.OODA(ウーダ)ループとPDCAサイクルの違い
-------------------------------------------------------というテーマでお伝えしました。
OODA(ウーダ)ループを使うことで、迅速な意思決定ができるようになり、目標達成率を高めることができます。
PDCAサイクルも使えなくはないですが、最初に「計画を立てる」という壁があるので、そこで挫折してしまう人たちがほとんどです。なので、OODA(ウーダ)ループのように、「まずは行動してみる!」ということを意識するようにしましょう。
もしも、PDCAサイクルについて詳しく知りたいという方は、ぜひ下記の記事も参考にしてもらえればと思います。
<関連記事>>>PDCAサイクルはもう古い?|目標達成率UPのフレームワークを解説************************************************
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