自己効力感(Self-efficacy)とは、「自分にはできる!」という感情のことです。
※自己効力感は、「高い、低い」という表現の仕方をしますたとえば、
勉強を例に簡単に説明すると、
自己効力感が低い人は、「勉強したところで…」と行動することができません。
しかし、自己効力感が高い人は、「よし!勉強しよう!」と行動することができます。
このように、「自己効力感が高い・低い」で、「行動する・しない」に大きな差がでます。ゆえに、自己効力感が高い人たちは、人生の中でたくさんのチャンスを掴むことになるでしょう。
なぜなら、チャンスは行動からしか生まれないからです。
きっと、「自己効力感が非常に大切な感覚だ!」ということは理解していただけたかと思います。
しかし、どうすればこの自己効力感を高めることができるのでしょうか?というわけで今回は、
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1.自己効力感とは
2.自己効力感の高め方
3.自己効力感と自己肯定感の違い
4.3種類の自己効力感
5.自己効力感を構成する4つの要素
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆などについてお伝えしていこうと思います。
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自己効力感とは
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自己効力感(self-efficacy)
「自分にはできる!」という感情////////////////////////////////////////////////////
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自己効力感の提唱者
-------------------------------------------------------自己効力感は、1997年にカナダの心理学者
アルバート・バンデューラ氏が論文
『社会的学習理論』の中で提唱しました。
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社会的学習理論とは
------------------------------------------------------アルバート・バンデューラ氏を一躍有名にしたのが『社会的学習理論』です。
これは、
『人間は他者の行動を見るだけで学習する』という理論で、
今まで人は自分が直接経験したことからしか学習できないと考えられてきました。
ゆえに、当時この理論はかなり画期的なとされていました。
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ボボ人形の実験
------------------------------------------------------バンデューラは、子供を対象に面白い実験を行いました。
実験の内容は、空気で膨らませたビニール人形を、大人が叩いたり、蹴ったり、怒鳴りつけたりするというもの。
そして、
それを見た子供たちがどのように人形に振舞うのか?を観察したのです。
◆実験の結果
実験の結果、人形を乱暴に扱う大人たちを見た子供たちは人形に対して暴力的になり、
一方で、人形を叩かずに遊んだ大人を見た子供たちは、人形に乱暴を働くことはありませんでした。
この実験から、バンデューラは「人間は他者の行動を見るだけで学習する」という『社会的学習理論』を打ち立てたのです。
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自己効力感と社会的学習理論
************************************************バンデューラ氏は、ボボ人形の実験から『社会的学習理論』をさらに体系化し、
人の行動要因を下記の3つにまとめました。
1.先行要因
2.結果要因
3.認知的要因それぞれ見ていきましょう。
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行動要因1.先行要因
-------------------------------------------------------先行要因とは、生理的・情緒的な要因のことです。もっと簡単に言うと、「体調」や「やる気」に関わるもの。
たとえば、下記のような感じですね。
・今日は体調がいい!(生理的)
・なんかやる気が出ない…(情緒的)
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行動要因2.結果要因
-------------------------------------------------------結果要因とは、過去の成功・失敗による要因のことです。※他者の成功体験でもOK
たとえば、下記のような感じですね。
・(憧れの〇〇さんがYouTubeで上手くいっているから)
YouTubeにチャレンジしてみよう!
・(過去にブログで成果を出せなかったから…)YouTubeは止めておこう…
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行動要因3.認知的要因
-------------------------------------------------------認知的要因とは、その行動への捉え方による要因のことです。「犬」に対して「可愛い」「怖い」など様々な捉え方がありますよね?
このように、われわれは、対象を主観的に評価しています。
たとえば、下記のような感じですね。
・(お金を稼ぐことは楽しいから!)起業しよう!
・(お金を稼ぐことは悪いことだから…)起業は止めておこう…
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効力予期と結果予期
************************************************先ほど、人には3つの行動要因があると説明しました。
1.
先行要因2.結果要因
3.認知的要因
さらにここでは、
先行要因を2つの要素に分けて、自己効力感の理解をさらに深めてもらおうと思います。
・効力予期
・結果予期
▽「ダイエット」を例に解説していきます
10キロ痩せるという目標を立てたとする。
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効力予期
------------------------------------------------------- ・・・効力予期とは、ある結果を叶えるための行動が上手くできると期待することです。たとえば、
「10キロ痩せるために、毎日30分ウォーキングできる!」というのは効力予期に当たります。
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結果予期
-------------------------------------------------------結果予期とは、ある結果を叶えることができると期待することです。たとえば、
「絶対に10キロ痩せることができる!」という結果を叶えることができる思うのは結果予期に当たります。
このように、「結果予期」も「効力予期」も目標達成には欠かすことができないものだということが分かりますね。
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自己効力感と効力予期
-------------------------------------------------------「結果予期」と「効力予期」の中でバンデューラが特に注目したのが
「効力予期」でした。
実は、この「効力予期」の研究を進めていくうちに生まれたのが「自己効力感」なんですよね。
まとめると、「自己効力感」を高めることができれば、「効力予期」が強化されます。その結果、チャレンジ力を高めることができるようになるのです。
他にも、それにより「結果予期」も強化され、目標達成率も高めることができるようになります。
▽分かりやすく説明すると・自己効力感UP
↓
・効力予期UP
↓
・10キロ痩せるために、毎日30分ウォーキングできる !
・結果予期UP
↓
・絶対に10キロ痩せる!
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自己効力感と自己肯定感の違い
************************************************自己肯定感と自己効力感を勘違いしてしまったことってありませんか?実は、これらには明確な違いがありますので、ここでそれを解説していこうと思います。
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自己肯定感とは
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自己肯定感
ありのまま自分を受け入れる感情////////////////////////////////////////////////////
反対語は、
「自己否定感」になります。
◆自己肯定感と失敗
自己肯定感が高い人は、「失敗に強い」という特徴があります。なぜなら、失敗したとしても、それは
「自分の価値」の問題ではないと考えることができるからです。
世の中には、本来は
能力の問題であるのにも関わらず、それを
価値の問題にしてしまう人たちが多々います。
▽ブログの成果が出ない…これは「自分の価値」が低いからでしょうか?そうではないですよね。あくまでも
能力の問題です。
コツコツ継続してレベルを上げていけば、いつか成果をあげることができるわけです。
しかし、自己肯定感が低い人は、その原因を「自分の価値」のせいにして「私は何をやってもダメなんだ…」と考えてしまうわけです。
>>自己肯定感とは|自己肯定感が低い人の5つの特徴と高める7つの方法
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自己効力感と自己肯定感の関係
-------------------------------------------------------自己肯定感と自己効力感には強い相関関係があると言えるでしょう。つまり、こういうこと。
・自己肯定感が高い→自己効力感も高い
・自己肯定感が低い→自己効力感も低いたとえば、自分のことをありのまま受け入れることができていないのに
(自己肯定感↓)、「私にはできる!」と感じる
(自己効力感↑)ことってできそうですか?
ちょっと考えにくいですよね。
つまり、自己肯定感は自己効力感の土台となる概念であり、自己肯定感を高めることで、一緒に自己効力感も高めることができるのです。
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3種類の自己効力感
************************************************心理学的に、自己効力感は3つにカテゴライズすることができます。
1.自己統制的自己効力感
2.社会的自己効力感
3.学業的自己効力感
自己効力感が高いからといって、どんな領域に対しても「私ならできる!」と思えるわけではないということですね。たとえば、「勉強は自信があるけど、スポーツは…」なんてことありますよね?
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1,自己統制的自己効力感
-------------------------------------------------------自己統制的自己効力感とは、自分の行動をコントロールできるという感情のことです。自己統制的自己効力感が高いと、いろいろなことにチャレンジしたり、失敗したとしてもすぐに立ち直ることができます。
一般的な自己効力感とは、この自己統制的自己効力感のことをさします。
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2.社会的自己効力感
-------------------------------------------------------社会的自己効力感とは、人間関係に関する自己効力感のことです。もっと簡単に説明すると、「この人と仲良くできる!」という感情のことですね。
社会的自己効力感が高いと、他者と積極的に関われるようになり、そこから幸福を得やすくなります。
◆人間関係と幸福ちなみに、アドラー心理学の中では下記のことを提唱しています。
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全ての悩みは対人関係の悩みである
全ての幸福もまた対人関係の中にある『対人関係論』////////////////////////////////////////////////////
つまり、社会的自己効力感が高いと、人生への幸福感を感じやすくなるのです。
そういう意味では、社会的自己効力感は人生を豊にする感情と言えるでしょう。>>アドラー心理学 幸福になるための5つの基礎理論【勇気付け】
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3.学業的自己効力感
-------------------------------------------------------学業的自己効力感とは、学習に関する自己効力感のことです。もっと簡単に説明すると、「自分なら理解できる!」という感情のことですね。
学業的自己効力感が高い人は、物事を積極的に理解しようとします。
学業的自己効力感が高いと、「内発的動機付け」も高まるので、能動的に学習するようになります。
実際、学業的自己効力感が高い学生は、親に「勉強しなさい!」と言われなくても、進んで勉強する傾向にあり、学習への満足度が高いということがわかっています。
>>【アンダーマイニング効果】「報酬」がやる気を奪う意外な心理学
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自己効力感を構成する4つの要素
************************************************ではここからは、自己効力感を構成する下記の4つの要素について解説していきます。
1.達成体験
2.社会的説得
3.代理体験
4.生理的情緒的状態これら4つの要素が複合的に関連し合って自己効力感が形成されています。
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要素1.達成体験
-------------------------------------------------------達成体験とは、簡単に言うと「成功体験」ことです。成功体験が多い人ほど、自己効力感が高いと言えるでしょう。
◆方法.成功体験を書き出す
自己効力感が低いと感じるのであれば、紙を取り出して今までの自分の成功体験を書き出してみましょう。というのも、人間の脳は生存戦略上「成功体験」よりも「失敗体験」の方が記憶に強化されやすくできているからです。
なので、意図的に、今までの成功体験を思い出そうとしなければなりません。
どんなに些細なことでも大丈夫です。
たとえば、こんな感じ。
・小学生の時に、絵のコンテストで全国入選した
・中学1年生の時に、絵のコンテンストで金賞を受賞した
・中学1年生の時に、英検3級に合格した
・バイト先で、バレンタインを5つもらった
・簿記検定3級に合格した
・運転免許を取得した
・営業未経験から売上トップになった
・ブログを120日連続で更新できた
・Facebookグループ登録者2.8万人達成したヤスイの実際の成果
もっともっと書き出してもOKですよ。
◆ポイント ・・・・・・大切なことは、達成したことを書き出すこと。
そうしないと、「これは別にすごいことではないよね?」と主観が入ってしまうからです。このように主観が入ってしまうと、全く書き出すことができないので、さらにショックを受けることになるので要注意。
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要素2.社会的説得
-------------------------------------------------------社会的説得とは、「他者からの励ましの言葉のこと」です。もっと簡単に言うと、「周りからのポジティブな言葉のこと」ですね。
◆方法.環境を変える
現在、周りからネガティブな言葉を浴びせられているのであれば、その環境からは撤退した方がいいでしょう。なぜなら、あなたの自己効力感は下がり続ける一方だからです。
これを心理学では、
「ゴーレム効果」といいます。
・無理だよ!
・やめな!
・バカだな!
など
逆に、ポジティブな言葉を浴びることができているのであれば、あなたの自己効力感はどんどん上がり続けるでしょう。
これを心理学では、
「ピグマリオン効果」といいます。
・行けるよ!
・どんどんチャレンジしな!
・応援してるよ!
など
>>【ピグマリオン効果】期待の力で成果を上げる心理学
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要素3.代理体験
-------------------------------------------------------代理体験とは、ロールモデルのことです。もっと簡単に言うと、「他者の成功体験のこと」ですね。
◆方法.ロールモデルを探す
すでに自分が目指す目標を達成している人をモデルにしましょう。
オンラインサロンやYouTube、その他会員制のコミュニティーから探すのがオススメです。
▽注意点
自分と境遇が似ている人をロールモデルにするようにしましょう。たとえば、中学で同級生だった人が、副業で稼いでいたりすると「私にもできるかも!」と思えるようになりますよね?
こんな感じで、
・育ち
・ルックス
・年収
・年齢
・コンプレックスなどが似ている人の真似をするようにしましょう。
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●自己肯定感が高い状態であれば問題ないのですが、多くの人は自己肯定感が高いわけではないと思いますので
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要素4.生理的情緒的状態
-------------------------------------------------------生理的情緒的状態とは、体調、感情などのことです。たとえば、風邪を引いていてテンションが低い時は、行動する気にならないですよね?
つまり、生理的情緒的状態が悪いと、自己効力感も低下してしまうのです。
◆方法.体調に気をつける
日々の
食事、睡眠、ストレスに気をつけるようにしましょう。
▽食事たとえば、朝に炭水化物が豊富なものを摂取すると、血糖値が急激に上昇し、時間が経つと血糖値が急激に低下するので、睡魔が発生してしまいます。
▽睡眠他にも、夜更かしなどをして脳内に溜まった
睡眠物質(アデノシン)が除去仕切れておらず、集中力が低下してしまうなんてこともあります。
▽ストレスさらに、慢性的なストレスにより、記憶力や集中力が低下したりもします。
◆方法.やる気を高める
やる気は、脳内のドーパミンが影響しています。
つまり、やる気を高めたいのであれば、ドーパミンを分泌させればいいわけです。
▽ドーパミンを分泌させる方法こちらの5つになります。
1.行動する
2.マイルストーンを設ける
3.ご褒美を与える
4.制限時間を設ける
5.誘惑物を排除する
もしも、ドーパミンを使ってやる気を高める方法を知りたい方は、下記の記事をチェックしてもらえればと思います。
仕事のやる気が出ない…を攻略する!|5つのドーパミン仕事術
>>仕事のやる気が出ない…を攻略する!|5つのドーパミン仕事術
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まとめ:自己効力感とは
************************************************では、最後にまとめましょう。
今回は、
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1.自己効力感とは
2.自己効力感の高め方
3.自己効力感と自己肯定感の違い
4.3種類の自己効力感
5.自己効力感を構成する4つの要素
-------------------------------------------------------というテーマでお伝えしました。
自己効力感を高めることで、何事にもチャレンジすることができたり、失敗に挫けづらくなったりします。つまり、自己効力感を高めることは、人生を豊にすることに繋がるわけです。
なので、「自己効力感が低いなぁ…」と感じているのであれば、この記事で紹介したワークに積極的に取り組んでいきましょう。
もしも、
自己肯定感についての理解も深めたいという方は、下記の記事も参考にしてもらえればと思います。
<関連記事>
>>自己肯定感とは|自己肯定感が低い人の5つの特徴と高める7つの方法 >>自己奉仕バイアス 成功は自分のおかげ、失敗は他人のせい>>【バイアス】あなたが知るべき13の認知バイアス************************************************
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