フレーミング効果とは、同じ主張でも表現を変えることで、違う印象を与える心理現象のことです。
例えば、「嫌い!」と言われるよりも、「好きではない」と言われた方が、なぜか軽い印象がありませんか?
他にも、「死亡率10%の手術」と言われるよりも、「成功率90%の手術」と言われた方が手術を受ける気になりますよね?
このように、同じ主張でも表現が変われば、全く違う印象を受けることが分かります。
というわけで今回は、
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1.フレーミング効果とは
2.フレーミング効果を営業・マーケティングに活用する方法
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というテーマでお伝えしていこうと思います。
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フレーミング効果とは
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フレーミング効果
同じ主張でも表現を変えることで、違う印象を与える心理現象
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フレーミング効果は、行動経済学者ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーにより提唱された心理現象になります。
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フレーミング効果の具体例
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ではいくつか具体例をみていきましょう。
◆「好きではない」と「嫌い」
「私〇〇が嫌いなんだよね!」と物事をはっきり言う人たちがいますが、これは非常にもったいないですね。
なぜなら、人間の脳は「主語」を認識できないという性質があるからです。
例えば、Aさんがあなたに「〇〇がなんだよね〜」と言ったとしたら、
あなたの脳は無意識に、その「嫌い」という言葉に敏感に反応し、Aさんに対して嫌悪感を抱くようになってしまうわけです。
だから、「嫌い」などというネガティブな言葉を使う人たちに対して、あまりポジティブな印象を抱かないですよね?
なので、その場合は「嫌い」→「好きではない」という表現に変えましょう。
例えば、Aさんがあなたに「〇〇が好きではないんだよね〜」と言ったとしても、脳は「ではない」という部分を認識できないので、Aさんに対してネガティブな印象を受けなくなるのです。
◆お笑い芸人ナイツのネタ
例えば、漫才コンビの「ナイツ」(さ塙ん、土屋さん)を知っているでしょうか?
ヤスイは「ナイツ」のネタが大好きなのですが、彼らの漫才の中に、このフレーミング効果を使った笑いがありましたので、それを引用したいと思います。
▽塙さんのトーク
「今年のブームと言えば何と言っても、『半沢直樹』でしたよね?
最高視聴率42,2%ですって。すごくないですか?
だって、57,8%の人たちは、見てないってことですからね?」
このように、
・「最高視聴率42.2%」
・「57.8%の人たちは観ていない」
のふたつは、主張は全く一緒であるのにも関わらず、表現を変えただけでこれだけ相手に与える印象が変わるわけです。
◆栄養ドリンク
下記のような広告をみたことはないでしょうか?
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タウリン1,000mg配合!
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こう言われると「かなりの栄養がありそう!」と思いますよね?
しかし、これって別の言い方をすると「タウリン1g配合」なんですよね。
つまり、「1mg!」と言われるよりも「1,000mg!」と言われた方が、表現は一緒ですが、すごく多くの内容成分が入っていると勘違いしてしまうのです。
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フレーミング効果の実験
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ではここからは、フレーミング効果に関する3つの実験を紹介します。
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実験1
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被験者である医師たちが、フレーミング効果によって、肺ガン2つの治療法である放射線治療と手術のどちらを選ぶのか?を調べました。
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補足説明
※5年後の生存率は手術の方が高いが、短期的には放射線治療よりも危険
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そして、医師たちを2つのグループに分けて、手術に関するデータの表現を変えて、それを提示します。
半分にはを、生存率に関するデータもう片方には死亡率に関するデータを見せました。
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1.術後1ヶ月後の生存率は90%です
2.術後1ヶ月後の死亡率は10%です
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そして、それぞれのグループの医師が、どれくらいの割合でを選択したのかを観察します。
◆実験の結果
結果は、下記の通りになりました。
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・術後1ヶ月後の生存率は90%です
=84%の割合で手術を選択
・術後1ヶ月後の死亡率は10%です
=50%の割合で手術を選択
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◆実験の考察
まとめると下記のような感じとなります。
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▽成功率90%の場合
・手術後の生存率90%と表現 ↓
・成功の方に注意が向く ↓
・手術を選択しやすい(短期的なリスクあり)
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▽死亡率10%の場合
・手術後の死亡率10%と表現 ↓
¥失敗の方に注意が向く ↓
・放射線治療を選択しやすい(短期的リスクが手術よりも低い)
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実験2
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20名の被験者には、この実験のための費用である50ドルを受け取ったことを想像させます。
そして次に、フレーミング効果によって、被験者が「ギャンブル」か「確実な結果」のどちらを選択するのかを観察します。
ギャンブルと確実な結果のどちらを選択しても、ルーレット(白2:黒3という配置)を回してもらうのですが、それぞれにルーレットでの結果に差を付けました。
・ギャンブルでは、白に止まったら50ドルをそのままもらえるが、黒に止まったら何ももらえない
・確実な結果では、白に止まったら20ドルもらえて、黒に止まったら30ドルを失う設定
そして、被験者を2つのグループに分けて、確実な結果の方を2つの方法でフレーミングします。
・確実な結果を選んで、白に止まったら、20ドルをもらえます
・確実な結果を選んで、黒に止まったら、30ドルを失ってしまいます
この時どれくらいの割合で被験者がギャンブルか確実な結果を選ぶのかを観察しました。
まとめると、こんな感じになります。
グループ1:
・ギャンブル:白に止まったら50ドルをそのままもらえるが、黒に止まったら何ももらえない
・確実な結果:白に止まったら、20ドルをもらえます
グループ2:
・ギャンブル:白に止まったら50ドルをそのままもらえるが、黒に止まったら何ももらえない
・確実な結果:黒に止まったら、30ドルを失ってしまいます
◆実験の結果
その結果、「20ドルもらえる」というフレームで提示された被験者全員が、確実な結果を選択するということが分かりました。
◆プロスペクト理論
人は何かを得るという「利得」よりも何かを失うという「損失」に影響を受けやすいという性質があります。
これを、「プロスペクト理論」と言います。
つまり、損失を避けるために下記のような結果となったのです。
・・・・
「20ドルもらえる」→確実な結果を選ぶ
・・
「30ドル失う」→ギャンブルを選ぶ
<関連記事>
>>プロスペクト理論 セールス・マーケティングに活用する方法----------------------------------
実験3
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あなたは臓器移植に同意しているでしょうか?
(事故死の場合の臓器移植に関する意思表示は多くの国で、免許証に記載されています)
これはあなたが善人・悪人であるという話ではなく、きっとほとんどの人は臓器移植に同意していないと思います。
なぜなら、日本人の臓器移植に関する同意は「オプトイン方式」で行われるからです。
つまり、「同意する際は、チェックマークを入れる」というものです。
それゆえ、平成25年度の日本人の臓器移植の同意率は、12.6%というデータがあります。
◆アプトアウト方式
しかし、2003年に発表された記事によると、オーストリアの同意率は100%近く、スウェーデンは86%だそうです。
では、なぜ日本とこれだけの差が生まれるのでしょうか?
それは、臓器移植の同意率が高い国ほど「オプトアウト方式」が採用されているからです。
つまり、「同意しない際は、チェックマークを入れる」というものです。
※デフォルトで「同意する」になっている
このように、臓器移植の同意率が高い国でも悪い国でも、臓器移植の重要性については理解があるはずなのにも関わらず、フレーミング効果により、これだけ同意率に差が生まれるのです。
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フレーミング効果を営業・マーケティングに活用する方法
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ではここからは、フレーミング効果を営業やマーケティングに応用する方法についてお伝えします。
大きく分けると下記の3つです。
1.感情フレーミング
2.損失フレーミング
3.オプトイン・オプトアウト
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1.感情フレーミング効果
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感情フレーミング効果とは、感情表現などを変えることで、相手に与える印象を変えるフレーミング効果になります。
◆ネガティブな言葉は使わない
結論から言うと、なるべくネガティブな言葉を使わないようにすることが重要です。
例えば、下記のような言葉が挙げられます。
・嫌い
・イライラする
・ダルい
(他にも、ネガティブな言葉はたくさん挙げることが出来ますが、ここでは上記3つの単語を扱います)
繰り返しにはなりますが、なるべくこれらの言葉を使わないようにした方が良いです。
なぜなら、これらの言葉を使うことで、「あなた」「相手」の両者がネガティブな影響を受けてしまうからです。
◆「あなた」がネガティブな影響を受ける
脳には、主語を認識できないという性質があります。
ゆえに、仮に相手に対して「バカ!」「マヌケ!」などの乱暴な言葉を使っていると、自分もそのネガティブワードの影響を受けてしまうのです。
・「自分はバカなんだ・・・」
・「自分はマヌケなんだ・・・」
と潜在意識の中に刷り込まれてしまうのです。
結果、自己肯定感が下がり、目標達成が妨げられてしまう可能性があるので、気を付けるようにしましょうね。
◆「相手」が影響を受ける
これは単純に、ネガティブな言葉ばかりを使っていると、相手からの印象が悪くなるというものです。
仮にあなたが、何かの商品・サービスを販売する人間であるのであれば、なおさらネガティブな言葉は避けるようにしましょう。
ネガティブな言葉を多用する人間から、商品を購入しようとは思わないですからね。
◆解決策
結論、「ポジティブな言葉を使いましょう!」なのですが、ポジティブな言葉だけを使うというのもかなり難しかったりします。
そこで、ヤスイが推奨しているテクニックがです。
「ポジティブな単語≒否定」
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▽例えば
嫌い→好きではない
→
イライラする→スッキリしない
ダルい→楽しくない
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このようにフレーミングすれば、同じ意味ですが、受ける印象は全く違ったものになりますよね?
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2.損失フレーミング効果
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損失フレーミングとは、「利得」を「損失」の表現に変えることで、相手に影響を与えやすくなるというフレーミング効果のことです。
◆「利得」→「損失」
結論、「利得」を「損失」にフレーミングするようにしましょう。
なぜなら、前述しましたが、人間は何かを得るという「利得」よりも、何かを失うという「損失」に影響を受けやすいと言う性質があるからです。
では実際の具体例をみていきましょう。
◆電気の節約を提案する
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▽利得フレーミング
弊社の電気を使っていただけると、毎月5%ほど電気代を節約することができるようになります!
▽損失フレーミング
弊社の電気を使っていただけると、毎月5%の電気を無駄に支払い続けることになってしまいます…
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◆化粧品
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▽利得フレーミング
この化粧品に入っている〇〇と言う成分は、お肌にハリを与えてくれます!
▽損失フレーミング
この化粧品に入っている〇〇と言う成分をお肌に入れ続けていかないと、
お肌のハリがどんどん失われていってしまいます…
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このように、「利得」を「損失」にフレーミングするだけで、受ける印象がガラッと変わります。
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3.オプトアウト
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オプトアウトとは、「同意しない際は、チェックマークを入れる」というものです。
◆デフォルトで支払わせる
結論、支払わせるサービスをあらかじめデフォルト設定しておくということが大切です。
※つまり、「オプトイン方式」→「オプトアウト方式」に設定するということです
◆ウォーターサーバー
例えば、ヤスイのうちにはウォーターサーバーが置いてあるのですが、それを契約する際に、面白いことを言われました。
ある
それは、
「月々100円の〇〇というプランがあるのですが、こちらは後から電話で外せますのでご安心ください」
これぞまさに「オプトアウト方式」です。
つまり、デフォルトであらかじめ支払いすることが確定している状態で販売するのです。
結果、ヤスイは、半年間も無駄なオプションにお金を払い続けていました。。。
◆携帯電話
しかし、これって考えてみたら携帯電話でもありますよね?
「こんなプランいらねぇ〜よ!」と思うものでも、あらかじめデフォルト設定されており、後から自分で外さなければならない面倒な契約です。
◆注意点
「オプトアウト方式」は売上を上げるためには非常に効果的な戦略になります。
しかし、注意点もあります。
それは、あらかじめデフォルトで設定されていることを伝えるというものです。(当たり前ですが)
この「オプトアウト方式」に嫌悪感を抱く人もいますので、コーチ・コンサル・セラピストなど、自分で商品を作って販売している人は、気を付けるようにしましょう。
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まとめ:フレーミング効果
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では最後にまとめましょう。
今回は、
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1.フレーミング効果とは
2.フレーミング効果を営業・マーケティングに活用する方法
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というテーマでお伝えしました。
フレーミング効果は、人々の人生を大きく変える最強の心理テクニックと言えます。
なので、今後は、使う言葉や表現に気をつけて営業やマーケティングを行っていきましょう。
まずは、あなたのブログやLP(販売ページ)などを隈なくチェックです!きっと、いい表現に変えることができる箇所が多く存在するはずです。
もしも、その他の心理テクニックについて知りたい方は、下記の記事を参考にしてもらえればと思います。
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心理学テクニックまとめ
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