他人に何かを販売したいのなら「特徴」よりも「ベネフィット」を伝えることが大切です。
これは真実ですが、出来ていないところが多いですね。特にホームページで集客して商品やサービスを販売したいと考えている会社や個人事業主に限って出来ていないことが多いです。
そこで今回は、ホームページをはじめとするウェブを使った集客から販売へユーザーを誘導し成果を出したいのなら、必ず理解して使いたい「ベネフィット・ライティング」についてお話していきます。
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目次
1: ベネフィット・ライティングとは
2: ベネフィット・ライティングが必要な理由
3: ベネフィットは特徴から変換できる
4: ベネフィット・ライティングの方法
5: ベネフィット・ライティングが役立つシーン
6: まとめ
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1: ベネフィット・ライティングとは
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ベネフィット・ライティングとは何でしょう。
それぞれの単語を分けると意味が見えてきます。
「ベネフィット」・・・利益(理想の未来像)
「ライティング」・・・文章を書くこと
二つを合わせるとわかります。利益(理想の未来像)が伝わるように文章を書くことです。
多くの「売れない」と嘆いている会社や個人事業主さんで起こっている原因は、理想の未来像を伝えるのではなく「商品やサービスの特徴を伝えてしまっているだけ」なのです。
例えば、手帳には100円均一で売っているモノと、モレスキンのように1000円以上するモノがあります。
どちらも特徴としては大きな違いはありません。
●字が書ける
●持ち運べる
あえてモレスキンの手帳としての特徴を出すと、
●ゴムバンドで開くのを防げる(実は100均にもある)
●手帳の角が丸くなっている(これもある)
●表紙にレザー(っぽい)素材が使われている(すでにある)
もし、これだけしかモレスキンが伝えていなければ、間違いなく売れていなかったと思います。
しかし、モレスキンは特徴ではなくベネフィットを全面に押し出したことで成功しました。
特に人の心をくすぐる「アート」に関係するベネフィットを前に出して展開したことで、一番小さなサイズのスタンダードな手帳が1冊1000円を超えるのに売れ続けているのです。
このように、商品やサービスの特徴ではなく、ベネフィットを見つけて書くことを「ベネフィット・ライティング」と言います。
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2: ベネフィット・ライティングが必要な理由
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どうしてベネフィット・ライティングが必要なのでしょうか。
先ほども少しだけ触れましたが、人の購買意欲をくすぐるには特徴ではなく、理想の未来像を見せることが重要です。
特徴は100個並べられても「フーン」というだけです。そこから先に進んでもらえません。というのも、ユーザーの大半が興味を持っているのは商品やサービスではなく、商品やサービスを手に入れることで変わる自分の人生なのです。
例えば、
●この高級時計を買えばモテるかも
●この高級車を買えば一目置かれる存在になれるかも
●この手帳を買えば「かっこよく」見られるかも
このように一般的なユーザーは自分が「どうなれるのか」に最大の興味を持ち、そのためなら借金をしてでも行動を起こすのです。
当然、自分が「どうなれるのか」を求めているという本音を隠すために「言い訳」を用意しておくことも必要ですが、まずは「理想の未来像」が簡単にイメージできるようにすることで、頭を使わずに動物的な思考で「これはいいものだ!」「これは自分に必要なものだ!」と感じて、高くても率先してお金を出してくれるようになるのです。
このように商品やサービスによって得ることができる「理想の未来の結果」が購買意欲と密接に関連しているため、何かを販売するためにはベネフィット・ライティングは不可欠なのです。
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3: ベネフィットは特徴から変換できる
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このようにお話すると「特徴は簡単に見つけられるが、ベネフィットは見つからない」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
しかしご安心ください。あなたが特徴を見つけられるのなら、特徴を変換してベネフィットにすることができるのです。
もしあなたが自分の商品やサービスから特徴すら見つけられないのなら、それは大きな問題をはらんでいます。そもそもその商品やサービスは必要とされていないか、まだ誰も必要だと感じていないかのどちらかです。どちらにしても売れるためには改善が必要です。
さて、特徴からベネフィットへの変換方法ですが、例を挙げていくのがわかりやすいと思います。
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例1)黄色い鉛筆
ごちゃごちゃした机の引き出しに紛れ込んでも、黄色は目に付きやすいので簡単に鉛筆を見つけることができます。もうイライラする必要もありません。
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例2)六角形の鉛筆
丸い鉛筆だと机に置くとコロコロと転がってしまいます。しかし六角形の鉛筆なら、机にポンと置いても転がって床に落ちることがありません。落ちる度に腰を曲げて鉛筆を探して拾う苦労がなくなります。
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例3)木製ラック
木の温かみを感じられるので、お部屋全体が柔らかな印象になり、ゲストもホッとしてあなたに心を開いてくれるでしょう。
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わかりやすいように少しオーバーに表現していますが、鉛筆や木製ラックという巷に溢れている珍しくもないモノでも、特徴からベネフィットへ変換することができるのです。
ベネフィットは特徴を見る視点や切り口を少しだけ変えるとイメージしやすくなります。
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4: ベネフィット・ライティングの方法
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ベネフィット・ライティングの方法をお話していきます。
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(1)ターゲット
心に響くベネフィットはターゲットによって変化します。同じ商品やサービスでもターゲットが変わると心に響く未来の姿が変わるためです。
そのためベネフィット・ライティングを行うときには、絞ったターゲット設定を心掛けましょう。絞れば絞るほど特徴を心に響くベネフィットへ変換しやすくなります。
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(2)特徴を洗い出せ!
小さなことでもかまいません。とにかく商品やサービスの特徴を洗い出します。
箇条書きでかまいませんので、量で勝負しましょう。ここでは「ベネフィットになるのか」とか「こんなことは当たり前だし」とか考えるのは無しです。見つけた特徴を全て書き出すのがセオリーです。
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(3)差別化できることを探す
洗い出した特徴から、競合と差別化できる特徴を見つけます。
他社ではできないけれど(難しいけれど)、自社だから出来ていることですね。
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(4)ベネフィットへ変換
差別化できる特徴からベネフィットへ変換します。
変換するときはターゲットを常に思い出しながら変換してください。何度も申し上げますが、ベネフィットはターゲットによって変化します。全く同じ特徴であってもユーザーの特性によって心に響くポイントが変わるのです。この事実を忘れてはいけません。
例えば、1着10000円するTシャツの場合、ファストファッションが簡単に似合う20代や30代の女性に「上品に見えますよ」というベネフィットでは興味を惹きません。
しかし、40代後半から50代の女性なら「高いからこそ丁寧な仕上がりで上品に見える」というのは興味を惹きます。 全く同じ商品と特徴ですが、ターゲットによって心を動かせるポイントは違うのです。
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5: ベネフィット・ライティングが役立つシーン
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ベネフィット・ライティングが役立つのは次のようなシーンです。
●コンテンツのキャッチコピー(タイトル)
●セールスレターorランディングページ
ホームページのあちこちにベネフィット・ライティングを行うと、ちょっと暑苦しくなります。場合によっては「買え買え」と言われているように感じます。
そのため、本当に興味を惹きたいページにだけ使うようにしましょう。どんなに効果のあることもメリハリが無いと埋もれてしまいます。役立てるためには「引き算」で考えましょう。
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6: まとめ
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ベネフィット・ライティングは特徴から変換して作ることができます。特に難しいことはありません。
あなたが普段からお客様へ販売するときに話している内容を思い出してもらえれば、成果が生まれているときにはベネフィットを伝えているはずなのです。
あとは数をこなして変換することです。1つ2つやってみただけでは成果を生み出すようなベネフィットへ変換できません。嫌がる人もいますが、1つの特徴を100個のベネフィットへ変換してみましょう。
これはかなり力が付く方法です。
勉強ばかりしていても何も生まれません。実際に頭と手を動かしてやってみることが大切です。紙とボールペンがあればどこでもできます。トイレでもできます。病院の待合でもできます。移動中にもできます。「時間がないからできない」というのは残念ながら言い訳です。今日からベネフィット・ライティングをやってみてください。
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