自社のセールスとマーケティングが連携できていない。このように感じている経営者の方がいらっしゃいます。
商品やサービスの販売するためには、お互いの連携が必要不可欠であり、お互いの業務をスムーズに進めるためには共通した要素をもっているはず。しかし、現実的には連携できないケースも少なくありません。
そこで今回は、セールスとマーケティングの違いを知り、どのようにすれば連携できるようになるのかをお伝えしていきます。
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目次
1: セールスとマーケティングの違いを理解しよう
(1)セールスとマーケティングの違い
(2)出発点
(3)アプローチ
(4)目的
(5)行動のきっかけ
2: 似ているのに連携できない理由
(1)言い分が違う
(2)求められる能力が異なる
(3)考え方がまるで違う
3: スムーズに連携するポイントとは
(1)ペルソナ
(2)カスタマージャーニー
(3)KPI
4: これからの事業継続には欠かせない
5: まとめ
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1: セールスとマーケティングの違いを理解しよう
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どちらも商品やサービスの販売向上を考えています。それなのに上手に連携できない。セールス部門とマーケティング部門がある会社では「あるある」の状況ではないでしょうか。
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(1)セールスとマーケティングの違い
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最初に必要なのはセールスとマーケティングの違いを理解することです。
セールスとは「売ること」が目的です。
●店舗での販売
●営業担当者が訪問して販売
これがセールスです。
いっぽう、マーケティングはというと、このように表現できます。
「売るための戦略」
別の言い方をするなら
「売るための作戦や計画」
現場で「売る」ことではなく、どうすれば売れるのか、どう売るのが良いのか。
もう少し掘り下げてお話するなら
●誰に
●どのように
●伝える
ことが必要なのか。そして、「いくら」だったらいいのか。
このような戦略を立てる仕事をマーケティングと言います。
ビジネスにおいて基本的な考え方としては、マーケティングが先に始まり、マーケティングの戦略を使ってセールスする流れになります。
しかし、現実に視点を向けると、先にセールスがスタート、後追いでマーケティングが動き出すというケースも存在しています。
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(2)出発点
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セールスとマーケティングでは次のように出発点に違いがあります。
セールスの出発点は「自分たちが何を売りたいのか」です。そして、自分たちの商品やサービスにできることを伝えます。
マーケティングの出発点は「顧客は何が欲しいのか」です。そして、自分たちの商品やサービスを顧客が価値ありと認めてくれることを目指します。
このように出発点が違いますから、セールスとマーケティングが相容れることは難しいのです。
お互いに連携しようと無理にミーティングを行うと、これまで以上に「溝」が深まってしまうことにもなりかねません。
セールスとマーケティングでは出発点そのものが違っているということを理解しておきましょう。
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(3)アプローチ
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顧客へのアプローチが違います。
セールスでは「購入を促す」ことを主としています。顧客を中心に置いた戦略ではなく、自分たちの営業活動を中心に置いています。
マーケティングでは「購買へどうやってつなげるか」を主としています。顧客を中心した戦略を計画していきます。
このように顧客へのアプローチも違っています。どちらが良いということではなく、セールスとマーケティングでは「主」にしていることが違っているという事実を理解しておかなくてはいけません。
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(4)目的
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大きな目的としてはセールスもマーケティングも「売上向上」です。
しかし、同じなのに連携できません。その理由は活動の目的にあります。
セールスの目的は「売上を伸ばすこと」です。大変わかりやすい目的です。
マーケティングの目的は「顧客とのコミュニケーション」です。
セールスは売れないと成功ではありませんが、マーケティングは売れなくても顧客とのコミュニケーションが発生し、将来に買ってもらえる可能性が高いのなら成功です。
この違いは大きいです。
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(5)行動のきっかけ
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セールスが行動するきっかけは、商品やサービスが完成したとき、売り出したいときです。
そのため、売りたいもの、売れるものがない時期はセールスという行動を起こせません。
マーケティングは顧客とのコミュニケーションを目的にしていますから、商品やサービスがなくても行動します。
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2: 似ているのに連携できない理由
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セールスとマーケティングは似ています。でも連携するのが難しい。その理由の一部を見ていきます。
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(1)言い分が違う
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どうしてセールスとマーケティングは連携できないことが多いのでしょうか。
よく現場で言われるのは、次のような声です。
●マーケティングは売上に貢献していない
●現場の声をマーケティングは知らない
●言うだけでなく自分で売ってみろ
セールス担当の方から発言されることの多い声です。次はマーケティング担当から発言されることの多い声です。
●セールスは短期的思考すぎる
●セールスはクロージングしているだけ
●マーケティングの戦略を無駄にしている
大変似たことをお互い行っているのですが、言い分が相反しています。
なんだかんだと連携できない理由を見つけることはできますが、要するに両者が連携できないのは、お互いの言い分が全く違っているということです。
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(2)求められる能力が異なる
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マーケティングはデータ分析や戦略を練るなど、一般的な表現を使うならデスクワークがメインです。
そのため、論理的な思考や能力が求められます。
セールスは顧客とのコミュニケーション、社外での活動がメイン。
そのため、コミュニケーション能力、人間関係構築という能力が求められます。
このように求められる能力が異なっていることも連携を難しくしている理由です。お互いへの橋渡し役がいれば(通訳する人ですね)スムーズに進みますが、多くの企業では通訳する人がいませんので、異なる価値観で異国の言葉を話す人同士が自分の主張を言い争うような状態になってしまっています。
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(3)考え方がまるで違う
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求められる能力の違いの次に理解しておきたいのが「考え方が違う」ということです。
セールスは狩猟型です。獲物を見つけ、仕留めにいきます。
マーケティングは農耕型です。山を開拓し、田畑を作り、気候条件に合わせてタネを蒔き、水や肥料を与え育てる。このような考え方です。
狩猟型と農耕型が同じ話を同じ目線でするのは難しいものです。見ているところが違いますから。
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3: スムーズに連携するポイントとは
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セールスとマーケティングが連携するためには、次の3つのポイントを連携することから始める必要があります。
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(1)ペルソナ
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どういったターゲット像(ペルソナと言います)を顧客とするのか。ペルソナの統一を行いましょう。
今は、セールスとマーケティングで別々のペルソナになっている可能性があります。
まずは「誰に」という部分を連携し統一しましょう。
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(2)カスタマージャーニー
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ペルソナが統一できれば、どのような行動によって購買まで進むのかをカスタマージャーニーで表現し連携します。
カスタマージャーニーがあれば、セールスが行動を起こすきっかけになる部分、マーケティングが計画を進める部分が明確になります。
そして、カスタマージャーニーがあることで、マーケティングとセールスの関係性が「見える化」されます。
それぞれが独立して行動するのではなく、一連の流れの中で連携し行動する必要性が理解できます。
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(3)KPI
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KPIとは目指す指標です。
連携できていないところに多いのが、セールスのKPIは「受注数」、マーケティングのKPIは「リード獲得数」というように評価基準が統一されていないことです。
しかし、これでは目指している指標が違いますので連携は難しくなります。そのため、セールスとマーケティングのKPIを統一させましょう。
同じ目標を設定すれば連携もしやすくなります。
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4: これからの事業継続には欠かせない
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変化の激しい現在、安定した事業継続に欠かせないのが、セールスとマーケティングの連携です。
この2つが連携できると、相乗効果が期待できます。
というのも、実際にはセールスとマーケティングは敵同士ではなく「企業の両輪」なのです。
どちらかが動かないと上手く進めません。また、どちらかが反対に回転しているなら、同じ場所をぐるぐるぐるぐるまわり続けることになります。
「連携できないなぁ〜」と言っていても何も変わりません。まずは先ほどお話ししました
●ペルソナの統一
●カスタマージャーニーの連携
●KPIの統一
ここから変化を起こしていきましょう。
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5: まとめ
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今回お話しましたようにセールスとマーケティングは似ていますが、目的や考え方などが違っているためなかなか相容れることができません。
そこで連携するために重要なのは「ペルソナの統一」です。ここから始める必要があります。ペルソナが違っていると「誰に売るのか(誰に選ばれるのか)」が食い違ってきますので、何十時間ミーティングを行っても良い方向へ話しは進みません。
たった一つでかまいません。統一した目標を作りましょう。
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