最近マーケティングの世界で取り上げられることが増えたなと感じるのが、今回お話する「意味のあるモノ」と「役に立つモノ」について。
多くの消費者は、こんなことを意識せず、買い物していると思いますが、僕たちマーケティングに関わる者としては、少しでも深く考えておきたいことだったりします。
特に資本力も少ない「小さな会社」であれば尚更、こうしたことを理解して、これからの商品開発やサービス提供に役立てていきたいところではないでしょうか。
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目次
1: 意味のあるモノと役に立つモノに分かれている現実
2: 役に立つモノで小さな会社は勝てるのか?
3: 価格との関係を考えてみよう
4: 価格に左右されないほうを選ぶのが勝負の分かれ目
5: まとめ
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1: 意味のあるモノと役に立つモノに分かれている現実
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世の中には「意味のあるモノ」と「役に立つモノ」。この2つに多くの商品やサービスを分けることができます。
例えば、コンビニエンストアへ足を運んで実際に見てきてほしいのですが、以下の商品はどれくらいの種類が店内に陳列されているでしょうか?
●爪切り
●ハサミ
●ハミガキ
●歯ブラシ
多くて3種類くらいです。小さめの店舗であれば、1種類しか置かれていないこともあります。
反対に、次の商品はどうでしょう。
●たばこ
●食玩
●ワイン
同じような商品であっても、複数種類が置かれています。特に「たばこ」に関しては喫煙できる場所が大幅に減っているにも関わらず、喫煙者が減っているにも関わらず、10種類以上がレジ奥に並んでいます。
この違いを見るとわかるのですが、たばこや食玩、ワインなどは同じ分類の商品が複数あっても、購入者が「どうしてもコレ」という買い方をするので、できるだけ種類を並べておきたいのです。そして、こういう商品を「意味のあるモノ」と言います。
爪切りやハサミなどは、「どうしても○○メーカーのモノがほしい」という人は多くありません。とりあえず欲求を満たせればOK(役に立てばOK)ですから、値段とタイミングだけで選ばれます。こういう商品を「役に立つモノ」と言います。
いかがでしょうか?世の中の商品やサービスは、2つの種類に分けることができるのです。では、少し視点を変えて「価格」を見てみましょう。
「デジタルカメラ」を例にお話します。
一般的にデジタルカメラというと、次のメーカーが有名です。
●キャノン
●ニコン
●オリンパス
●リコー フジフィルム
●パナソニック
確かにキャノンやニコンなどのプロフェッショナル向け商品は価格が30万円以上します。結構高いです。そのため、カメラマニアでない限りアマチュアは手を出すのをためらいます。
しかし、次の海外メーカーのデジカメだとどうでしょう。
「ライカ」
ライカはカメラの中のキングです。車で言うとフェラーリみたいなもの。そのためコンパクトデジカメで70万円以上します。一眼レフだと100万円を軽く超えます。
でも、ここからが重要です。ライカのカメラに関しては、アマチュアでも購入するのです。ライカショップへ足を運ぶと(これだけでも勇気はいりますが)買う気がなかった人でも、実機に触れて試し撮りするとローンの計算をして買ってしまう。心を揺さぶるアイテム。これがライカです。
この違いは何かというと、ライカのカメラには「ライカを持つ」という「意味」があるからでしょう。
日本製のカメラには「持つ意味」はあまりなく「役に立つ(性能)」部分がメインになっていますから、いきなり心を揺さぶられてローンの計算をする人は少ないということです。
続いて価格に関して見ると大変わかりやすいですが、意味のあるモノの方が、役立つモノよりも高額なのです。
では、高額になった分、意味のあるモノ「ライカ」は、キャノンやニコンのカメラよりも性能が10倍高いのかというと、そんなことはありません。
強いて言えば「ライカらしさ」をライカは持っている。この「らしさ」を他のカメラは出すことができない。数値では測れない部分の違いくらいであり、操作性などは対して変わりません。使い勝手で言うと、キャノンやニコンの方が融通も利きますので、ママカメラやパパカメラとしてもかなり優秀。でも、ママやパパもライカショップへ入って試し撮りすると、、、たぶん、何らかの理由を付けてライカを購入します。
意味のあるモノのパワーは恐ろしいものです。
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2: 役に立つモノで小さな会社は勝てるのか?
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現在の日本の多くの会社で提供されている商品やサービスは「役に立つモノ」です。これは大手企業も同じです。
そこで最初のコンビニの話を思い出して頂きたいのですが、同じ種類の「役に立つ」商品は多くて何種類陳列されているでしょうか?3種類くらいが限界です。
ということは、役に立つモノで勝負しているのなら、大企業も含めて同じ種類の中でTOP3に入らないと継続的に勝ち続けることは難しいことになります。
反対に、意味のあるモノで勝負しているとすると、どうしても欲しい消費者が商圏に居れば、コンビニの少ない棚のどこかに置いてもらえる可能性があります。
このように考えてみると、資金力も人材力も弱い小さな会社は、役に立つモノを販売し続けるのではなく、意味のあるモノの提供にも力を入れていかないと勝てない可能性が高くなっていると言えます。
特にノースメディアのような小さな会社の場合なら尚更です。役に立つモノ(ただの美しいだけのホームページ)を提供しているなら、大手制作会社と勝負することになり負けてしまうでしょう。しかし、意味のあるモノ(集客に関する仕組みの導入)を提供しているため、「この人に依頼したい!」という方と出会えることで、競合の多い業界でもビジネスが成り立っています。
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3: 価格との関係を考えてみよう
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先ほどデジカメの例えでお話しましたが、価格の関係は以下のようになります。
意味のあるモノ > 役に立つモノ
同じような機能を持った製品でも、意味のあるモノは高く売れます。また、高くても購入してもらえます。
しかし、意味がなく役立つモノは、低価格の製品しか選ばれなくなります。そして低価格の中でもTOP3しか目に付かないので、4位以降は継続的な販売が難しくなります。
小さな会社ですと、価格との関係を考えても「意味のあるモノ」を提供した方が、ビジネスも安定しやすいですし、価格競争をしなくても良いので経営が楽になります。
さらに、意味のあるモノを購入される方は、リピートしてくださる確率も高いため、こちらが対応を間違えない限り「良いお客様」として継続的に購入してもらえるようになるでしょう。
●売りやすさ
●利益率
●継続的な経営
こうした部分に着目しても、小さな会社であればあるほど「意味のあるモノ」を1つでも2つでも良いので提供していくことが、これからの時代に必要なことがわかります。
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4: 価格に左右されないほうを選ぶのが勝負の分かれ目
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小さな会社に必要なのは、価格に左右されない仕組みでビジネスをすることです。
そのためには、今回お話しました「意味のあるモノ」で勝負しなくてはいけません。
●あなただから依頼したい
●あなたの会社だから購入したい
●ここの製品だから高くても買いたい
こういう流れを作っていく努力を欠かすことはできません。これはホームページからの集客や、ECサイトの集客でも同じです。
●激安!
●まとめ買いでお値引き!
●いつでもお安く!
こういう戦いは長く続けることができません。仮に続けるのなら、相応の広告費が必要になりますので、基本的に利益率は下がっていきます。
あなたなら、どちらを選びたいでしょうか?僕は前者を選びたいです。
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5: まとめ
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今回の内容を最後までお読み頂いた方は、ぜひ「意味のあるモノ」を提供できないか考えてみてほしいと思います。
同時に、今自分たちが提供している商品やサービスは「意味のあるモノ」なのか「役に立つモノ」なのかを明確しておきましょう。そうすることで、「思っているよりも売れない」原因も見えてくるはずです。
例えば、役に立つ商品なら「TOP3に入っている」のかどうか。
これだけを確認してみても、売れている原因、売れていない原因のきっかけを知ることができます。
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