今も昔も「ブランド」は必要です。
ブランドが浸透し認知されることで、市場でのポジショニングが楽になりますし、権威性や差別化、ファンの獲得という経営者の視点から見ると、欲しいものが比較的簡単に手に入るようになります。
では、自分たちのブランドを見つけ作るにはどうすればいいのでしょう。
そもそも、僕たちに必要なブランドとは、どのようなものなのでしょう。
「安室奈美恵」のようなブランドでしょうか?
「コカコーラ」のようなブランドでしょうか?
「アルマーニ」のようなブランドでしょうか?
今回は、今、僕たち中小企業や個人事業主に必要な「ブランド」について紹介していきます。
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目次
1: 今必要なブランドとは
2: なぜ自己分析が必要なのか
3: あなたの未来を見つけだす
4: たった1行が全てを変える
5: How to アウトプット
6: 理念を空気にしたらダメ
7: まとめ
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1: 今必要なブランドとは
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あなたは「ブランド」と聞くと、どのようなイメージが湧き出してくるでしょうか。
●ロゴ
●デザイン
●パッケージ
●キャラクター
●ワード(言葉)
マスメディアが作り出した、過剰に装飾された煌びやかなもの。
一般的に「ブランド」というと、このようなイメージが思い浮かぶことが多いですね。
しかし、今の時代、消費者はマスメディアが作り出した「ブランド」の本質を簡単に見抜きます。
どれだけお金をつぎ込んで、派手で煌びやかな雰囲気の「ブランド」を作り出したとしても、本質が伴ったいないと判断されれば事態は逆転し、消費者はそっぽを向いてしまいます。
また、一時的にもてはやされるブランドを作り上げたとしても、短い期間だけのパワーとなり、あっという間に飽きられてしまいます。
ここで僕たちは丁寧に考えておく必要があります。
僕たちにも「ブランド」は必要です。
しかし必要なのは、マスメディアが作り出すような「ブランド」ではなく、中心に居る「人」が感じられるもの。
その「人」のこだわりや情熱。理想の未来像や経験から実現できそうな夢。
こういったことを踏まえた「ブランド」が必要なのだと思います。
では、こういう「ブランド」を作るために必要なことは何なのか。それは、、、
『ストーリー』
僕たちは「ストーリー」が大好きです。あなたもストーリーに引き込まれることがあると思います。
だから、僕たちに必要なのは、あなたが主人公になった「ストーリー」を作ること。
すなわち、そのストーリーがブランドとなりうるのです。
ここで、注意しておくことをお伝えします。
それは、ストーリーには主人公が必要なのは言うまでもないことですが、ただ主人公が居ればいいのではありません。
ストーリーの中の主人公は「行動」してくれないといけません。
あなたも過去に観た映画やテレビ番組を思い出してください。
映画やドラマの主人公が「行動」しないストーリーは、あまりおもしろさが伝わってきませんよね?
控えめに言っても「退屈」だと思うんです。
ワクワクもなければ、ドキドキもハラハラもしない。
淡々と続いていくストーリーは、感情移入しにくいものです。
感情移入しにくいということは、共感を得られにくいということでもありますから、主人公の魅力が伝わらないことになってしまいます。
反対に、感情移入しやすく、共感を得やすいストーリーとはどのようなものなのかというと、次のような特徴がありますね。
●主人公が行動する
●主人公が掲げる高い目標
●主人公が困難に出会う
●主人公が挫折する
●主人公が立ちなおる
●主人公が立ち向かう
このような主人公の姿が見えると、人は共感をしてくれるようになります。
だから、主人公である「あなた」が、どのような目標を掲げ、どう行動し、どんな風に歩み続けてきたのか。
そして、これから、どんな風に歩み続けていきたいのか。
こういうことをストーリーにして伝えていくことで、今、僕たちに必要とされる「ブランド」が出来上がっていくのです。
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2: なぜ自己分析が必要なのか
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「ブランド」はストーリーから作り出す、ということをお話しました。
そこで、あなたを主人公にしたストーリーを見つけ作るためには、次の2つの要素が必要なのを知ってください。
1.過去から現在までの歴史
2.現実的な理想の未来
この2つの要素がカチッとひとつの歯車のように組み合わされることで「主人公の現在地と目的地」が明確になってきます。
カーナビを思い出してもらいたいのですが、現在地と目的地の両方を設定しないと、最適なルートを割り出すことはできませんよね?
これと同じように、ストーリーも「現在地」を明確にし、向かうべき「目的地」を明らかにすることで、あなたの歴史を結ぶことができるようになります。
さて、ここまでで、あなたの現在地と目的地を明確にする理由がわかっていただけたと思います。
次は実際にあなたの「現在地」と「目的地」を見つけることが必要ですね。
その方法とは、多くの人が「面倒だ」といって嫌がる
『自己分析』
をすることになります。
ストーリーの大切な部分である「現在地」と「目的地」を見つけるには、自己分析なくして前に進むことができません。
「でもね〜、自分のことはわからないんですよ。」
という声も聞こえてきそうなので、自己分析を簡単に終わらせるヒントをお伝えしましょう。
そのヒントとは「信頼できる第三者から意見をもらう」。
人間は不思議なもので、自分のことはわからないのに、他人のことは細かく分析できるものなのです。
誰も分析してほしいと頼んでいないのに、勝手に相手が分析してくれるのが人間です。
だから、この特徴を使って、あなたが信頼できる第三者に聞いてみましょう。
聞いてみた内容をきっかけにして、
●あなたの想い
●あなたのドラマ
●これまでの歴史
●親から引き継がれた歴史
●あなたが大切にしていること
●これまで提供してきた商品やサービス
さらに、
●失敗したこと
●困難に出会い諦めそうになったこと
●何かをきっかけにして克服できたこと
このような経験談を思い出しながら、アウトプットしてみてほしいのです。
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3: あなたの未来を見つけだす
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主人公に必要なのは「行動」でした。
しかし、むやみに動くだけの「行動」では退屈です。
行動には、一貫した目標。別の言い方をすれば「志」が必要。
映画やドラマで、もっとも盛り上がる場面というと、主人公が「志」を持って、「理想の未来」へ向かって旅に出るところでしょう。
あなたのブランドに必要なこともこれと同じです。
あなたが、
●どのような志を持ち
●どのような旅に出て
●どのような理想の未来に到達するのか
こう書くだけでもワクワクしてきませんか?
これが最高のストーリーとなり、あなたのブランドの中核を担う「決意」にもなります。
1点、ここで注意しておきたいことは、理想の未来についてです。
理想の未来は、現実感が必要です。
本当に起こりそうなことが必要です。
全くもって、夢のようなことでは、共感されることはありません。
また、どこかで耳にしたような内容もNGです。
●自分が思ってもいないけれど、 世間ウケが良さそうなこと
●誰にでも言えそうなこと
●誰かが言っていること
こういう借り物の「理想の未来」は、やめておきたいですね。
それよりも、
●社会をもっとよくしたいと想うこと
●なんとしてもやりとげたいこと
●こうなればいいとイメージしていること
●自社を成長させたいという野望
あなたが群衆を前にマイクを握り、大声で語っている場面をイメージできるかどうか。
その場面にぴったりとはまることが、借り物ではない「理想の未来」となります。
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4: たった1行が全てを変える
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あなたが群衆を前に語る場面。
これは、あなたの覚悟を示すことにもつながります。
そして、この覚悟がブランドの源流。
その覚悟を、1行にまとめ伝えるとすると、あなたはどのような言葉に翻訳しますか?
この翻訳した1行だけの強い言葉は、
●経営理念
●会社のスローガン
●コーポレートメッセージ
いろいろな呼ばれ方がありますが、あなたの会社が在る理由となります。
「会社が在る理由」ですから、間違っても耳に心地良いだけの言葉
●地域密着
●お客様第一主義
●お客様を笑顔に
●確かな技術で
●○○を治療します
このような抽象的な言葉ではないはずです。
だって、こういう言葉なら、あなたの会社ではなく、他の会社でも使えますから。
1行からなる強い言葉は、あなた独自のストーリーから導き出されたもの。
ということは、他の誰かと同じはずはありません。
あなたの歴史。失敗、困難、克服。
立ち向かい、手に入れ、今から目指している未来は、他の誰かと同じではありません。
あなただけの経験から出てきているのですから、あなただけの言葉のはずなんです。
額に入れて飾ると目を引く、来客ウケのいい言葉は必要ありません。
英語で記された意味の分からない言葉もいりません。
ライバルの会社が使っても違和感の無い言葉は、あなたの言葉ではないということです。
ありきたりな1行の言葉を使うと、結局は誰の心を動かすこともできなくなります。
お客様もそうですし、スタッフもそうです。
心が動かない言葉を、群衆の前で話しても、誰も反応してくれません。
ということは、そういう言葉をつかっているのなら、あなたはストーリーの中の主人公になれないということ。
こんなことになると、自分たちはブランドだと想っていることが、全くブランドとしての価値を生み出さないことになる可能性が高まります。
あなたの「過去から現在までの歴史」、「現実的な理想の未来」。
この2つの要素がつながる中で、あなたの決意が伝わる「強い1行の言葉」を紡ぎ出してください。
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5: How to アウトプット
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それでは、ここで実際にブランドの源流となる「強い1行の言葉」の作り方を紹介します。
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(1)徹底的な掘り起こし
先ほども少し出てきましたね。
あなたの「過去から現在」までの歴史を、徹底的に掘り起こします。
自分だけでは進まない。という場合には、信頼できる第三者から「取材」してもらう形式にすると進みやすくなります。
取材の中では、
●あなたの想い
●あなたの生い立ち
●今の仕事を目指した理由
●今の仕事に根付く文化
●あなたが得意なサービス
こういったことを基本にして、信頼できる第三者から質問してもらうことで、話が転がっていきやすくなります。
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(2)未来の構築
「過去から現在」までの歴史を踏まえて、どのような「現実的な理想の未来」を構築するかを考えてください。
このとき、あなたがビジネスや生活の中で、いつも気にしている「ワード」を見つけてほしいのです。
直接ビジネスに関係していなくても構いません。
いつも気にしているということは、あなたの深い部分での欲求から来ている可能性が高いです。
そういう「ワード」をヒントにして、理想の未来を描いてみてください。
例えばですが、ノースメディアなら
「ホームページ制作」という小さな括りのワードではなく、
もっと大きな 括りで「集客」というワードが出てきます。
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(3)ワードを実現する方法
ノースメディアを例えにしてお話しますと、「集客」だけでは弱いですね。
そこで、ノースメディアの存在を考えてみましょう。
「ホームページ制作」だけではなく「集客」だけでもない。
「安定したビジネスの構築」のような役割を果たすことができたらいいと思うんですね。
本気で安定したビジネスを続けたい人が集まる拠点としてもいいですね。
こんなことが実現できれば、ホームページ制作会社としてだけではなく、コンテンツマーケティングの専門家としてだけもない。
本気でビジネスをする人だけが集まれる拠点になる可能性も出てきますよね。
このような、実現できそうな内容を描いてみてください。
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これら3つを踏まえて、強い1行の言葉を考えてみてください。
そして、この言葉を携えて行動することで、あなたのブランドが出来上がります。
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6: 理念を空気にしたらダメ
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行動することでブランドが出来ても、空気にしてはいけません。
よくあるオフィスに掛かっている、額に入っているだけの言葉にしてはいけません。
そこに「在る」だけでは、誰も、あなたも気にとめなくなります。
そのまま放っておくと勢いも強さも、そして行動力も衰退していきます。
まるで、冷蔵庫の奥に忘れられたままの食材と同じ運命です。
あなたのブランドは、お客様へ伝え続けることが必要です。
そしてブランドは、あなたのこれからの行動や志によって変化していくことでしょう。
あなたのストーリーに沿って、いつも進化し続けるブランドこそ、いつまでも輝き続け人を魅了する、僕たちに必要なブランドとなります。
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7: まとめ
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今回ご紹介しましたように、今、僕たちに必要なブランドとは
「ストーリー」
ストーリーは、あなただけのものですし、誰かが簡単にマネできるものではありません。
あなたと全く同じ人生を歩んできた人はいないのですから、あなたの挫折や苦悩、成功への道 は、あなただけのストーリー。
そしてあなたの実体験を通して見つけた「理想の未来」は、誰にも横取りできない「ブランド」となり得るのです。
ぜひ、この記事を参考にして、一人ゆっくり自己分析から始めてみてください。
きっとあなただけの「ブランド」「理想の未来」「理念」が見つかることでしょう。